最近のTV-CFでこんな映像を見た事はありませんか?
このCF自体はGoogleの作ったwebブラウザ「Chrome(クローム)」のCMです。
Google Chromeは現在ではWindows標準のwebブラウザ「Internet Explorer」に次ぐユーザー数を持つwebブラウザになっています。
非常に軽快に動作し、同時に安全性が高く(毎年行われているwebブラウザのハッキングコンテストにおいて、一昨年は最後までハッキングされず、昨年はエントリーされなかったものを「ハッキング出来たら開発チームから賞金を出す」事で参加し、やはり最後までハッキングされなかった程)、カスタマイズも柔軟に行えるブラウザ、という事で注目されています。
そのブラウザのCMなのですが、起用されているキャラクターが「初音ミク」なので、なんだか初音ミクのプロモーションCMになってしまっています。
この初音ミク、只のアニメキャラクターではなく、「ボーカロイド」というパソコンソフトのキャラクターなのです。
ボーカロイドとはパソコンの音声合成技術を駆使して、データとして入力した楽譜や作曲のデータを自然な人間の音声風に再現出来る様に工夫されたソフトです。
音声合成自体は従来からあった機能ですが、これまでの技術では普通の文書を読ませても、抑揚や言い回し等がどうしても平板になってしまい、機械的な読み上げの雰囲気から脱する事はありませんでした。
そこでボーカロイドではプロの女性声優の声を膨大な数でサンプリングし、多少甲高い感じはしますが、人間の歌い方に近い発生が出来る様にチューニングをされて開発されたのです。
これにより、従来ならコンピュータで合成した音楽は電子音のご性的な雰囲気が抜け切れませんでしたが、それよりもはるかにナチュラルな、しかも女性ボーカルを再現する事に成功したのです。
更に架空のアイドルキャラクター「初音ミク」という姿形と名前を与えた事で一気に人気が出て、動画投稿サイトには彼女の歌が、画像共有サイトには彼女のイラストが、更には3Dモデリングソフトを使った動く初音ミクの動画、実写映像との合成動画等々が次々と投稿され、その人気は世界中に広まり、挙句の果てには2011年7月にはロスアンジェルスでコンサートまで開催されたのです。
こうした楽しみもChromeブラウザがあればこそ、みたいなイメージでのCMだったのでしょうが、如何せん初音ミクのブランド力の方がChromeより強かったみたいですね。
ちなみに、現在では初音ミクのオリジナルソングが販売されており、1/19のiTunesチャートでも1位になっています。