2017年 10月

今一番の注目です。

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今年6月に東名高速で起きた追突事故の犯人逮捕を契機に、ある装置の設置が注目されています。

この事件は2017年6月5日の午後9時半ごろ、東名高速下り線、中井パーキングエリアの先で起きました。Hさん家族4人を乗せたワゴン車に対して、PAから1.4キロほどの間、走路妨害をくり返した末にワゴン車の前に割り込み、追い越し車線上に強制的にワゴン車を止めさせたうえ、ワゴン車に乗り込み、Hさんを車外に引きずり出そうとしていたところ、後続のトラックが停車中のワゴン車に突っ込み、追突事故を起こしたのでした。

この事故でHさん夫婦は死亡、2人の娘さんは幸い軽傷で済みました。そして走路妨害をした男とその連れの女も追突事故の影響で腰の骨を折る重傷を負いました。当初、被害者のHさんと犯人側の証言が食い違う事から、警察は防犯カメラや同時刻頃に周辺を走ってた多くの車のドライブレコーダーの映像を集め、犯人側の証言が嘘である事を突き詰め、4か月後の10月になって逮捕に至ったのです。

この事故をきっかけに、こうしたあおり行為や危険運転をするドライバーから身を守る手段として注目を集めているのがドライブレコーダーです。

ドライブレコーダーとは運転している車の前(もしくは前後)に設置したカメラで、事故の状況を動画で保存しておく装置になります。

この装置は多くの場合、事故が起きた際に発生したショックを検知し、その前後数十秒の様子を動画にしてメモリーカードに保存出来る様にしています(機種によっては運転開始から終了まで全部録画するタイプもあります)。

ドライブレコーダーには独立したカメラ状になっているものもあれば、ルームミラーと一体化して取付けているのが外部から分かりにくい様に作られている機種もあります。

電源は主にシガーソケットから給電するものになります。その為、後付になると車内に配線をまわすのに多少苦労するものもあります。

価格は安価なもので5000円位から、高価なものだと2万円程度まであります。高価な機種だと夜間の撮影でもくっきり録画出来る、とか、車を止めている間でも振動センサーが有効で、防犯カメラの役割を持つもの、もあります。

↓実際のドライブレコーダーの映像(YouTubeより)

更に最近ではスマートフォンをドライブレコーダーの様に使えるアプリも登場しています。下図のアプリ「セーフティサイト」は損保ジャパン日本興亜が提供する無料アプリです。

安全運転サポートアプリ Safety Sight-セーフティサイト-

車内にスマホを固定出来るアームを付けておき、これにセットしたらアプリを起動させれば、ドライブレコーダーとして使える、と言う訳です。特に、スマホを機種変更して古い機種を下取りに出さなかった場合、旧機種の有効利用としてこういう使い方もあり、と言う事になります。

以前は結構な高額だったドライブレコーダーも今では簡単に手が届くほどになっています。

この機会に導入を考えてみてはどうでしょう。

 

Webブラウザを制するものはネットの世界を制する、となるでしょうか。

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インターネットの利用をする上でwebブラウザは最もよく使うソフトウェアですが、そのシェアを推計しているNetMarketShareが2017年9月時点での、全世界のWebブラウザのシェア率を発表しました。

結果は以下の通りです。

1位:Google chrome 59.61%

2位:Microsoft Internet Explorer(IE) 14.18%

3位:Mozilla FireFox 12.85%

4位:Microsoft Edge 5.15%

5位:Apple Safari 5.08%

やはり目に付くのはGoogle chromeの強さでしょうか。しかしそれ以上に目立つのはWindows10標準のWebブラウザであるMicrosoft Edgeのシェア率の低さです。

現在、Windows10のシェア率は全世界のパソコンの27.6%(Net Applications、2017年7月調べ)ですし、この比率は毎月上昇しています。更に言えば、Windows10ではユーザーが意識的に変更をさせない限り、標準のWebブラウザはEdgeとなっていますから、OSのシェア率とブラウザのシェア率は本来比例するはずです。

しかし現実はChromeのシェア率が約60%もある、と言う事はWindows10ユーザーはあえてChromeを使っている事が判ります。

これについてはChromeはWindowsパソコン以外のパソコン、つまりMacやLinuxで動作するパソコンでも使用可能であり、またAndroidスマートフォンやiPhone、タブレット端末でもChromeは使用可能で、同じGoogleアカウントを使う事でお気に入り情報(ブックマーク)の共有化、ブラウザで使用するパスワード関係も共有化出来る等、複数のデバイスを所有する人ほど便利に使える様になるという、マルチプラットフォームである事の強みが活かされた結果と言えそうです。またWindows7や8の利用者の場合もIEよりChromeを使った方が高速かつ安全なwebブラウジングが可能、と言うもの大きいでしょう。

ただ、Microsoftもこの状況を眺めているだけではなく、この秋からiOS/Android用のEdgeの提供を開始しています(現在はプレビュー版)。今後この対策によってEdgeのシェア率が上がれば、Microsoftとしても万々歳なのでしょうけど、先日そのMicrosoftは自社製スマートフォンのOSになる、Windows Phoneのハード、ソフトのアップデートを今後行わない事を認めました。バグ修正やセキュリティアップデートは今後も行いますが、新機能の追加や新しい端末の開発は事実上終了、と言う事になります。

スマートフォンをはじめとしたモバイルデバイスに注目されている昨今ですが、Microsoftのこの姿勢はいったい何を意味するところでしょうか。

 

来年以降は皆さんの生活にも影響して来ますよ。

10日午前7時、種子島宇宙センターからH2Aロケットが打ち上げられ、1台の人工衛星の軌道投入に成功しました。この人工衛星は「みちびき4号」と言い、日本版のGPS衛星として注目されています。

9月20のトピックでも取り上げましたが、現在、世界では自身の位置を測地する為にGPSと言うサービスを使っていますが、このサービスは元々米軍が現場の兵士達の位置情報を得る為に用意したサービスで、これを民間でも使用出来る様に開放している、と言う物です。

しかし本来GPSは米軍のものなので、作戦行動がある場合は米軍によって意図的に制度が落とされる事があります。これはGPSを全世界的に開放した事は、米軍に敵対する組織もGPSを使える、と言う事になるので、米軍としては敵に塩を送る様な事は出来ない=GPSの精度をコントロール出来るからそうしてしまおう=米軍とは敵対してない人達も迷惑を被る、と言う事になるのです。

この他にもGPS衛星本来の特性である「GPS衛星が3機以上頭上に来ないと正確な測地が出来ない」と言うのも問題があります。GPS衛星は約30機ほどありますが、全世界を一定起動で周回している人工衛星なので、常に日本上空に3期以上の衛星があるとは限らないのです。

みちびき」はこうした米軍の都合に左右されがちなGPS衛星を補完し、より正確な日本国内での位置測地を可能にする為に打ち上げられた衛星なのです。

その特徴は「準天頂軌道」と呼ばれる大きく楕円形を描く衛星軌道です(この起動はあくまで地上から見た時にこの様に見える、と言うもので、実際に楕円軌道を描いている訳ではありません)。

天頂、とは天の頂点と言う意味になります。みちびき」の人工衛星は常にこの天の頂点付近にいる様に見える、と言う事になるのです。つまり日本国内で衛星による位置測地をする上では米軍のGPS衛星より正確な測地が可能であり、かつ「みちびき」は内閣府の管理下で運用されるので、米軍や自衛隊の活動の影響は受けにくいという事にもなります。

実際に、「みちびき」による測地誤差は4基の衛星を使う事で最小6センチまで減らす事が可能になります(GPSの場合、標準的な誤差の範囲は約10メートル)。

今回の4号機の打ち上げ成功によって「みちびき」は2018年度以降はオープンサービス運用が可能になり、2023年までは7基での運用体制になり、より正確な測地が出来る様になります(これまでは1基体制による実証実験運用)。

因みに、既に国内で販売されているGPS機器関連製品でも「みちびき」の位置測地に対応している機器は数多くあり、これらの機器は他機種より国内での測地はより正確という事になります。

来年以降こうした製品を買う/使う際には「みちびき」への対応の有無が選択の決め手になるかもしれません。

 

電車の中での忘れ物、これで激減するでしょうか。

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京浜急行電鉄、東京都交通局、京成電鉄は、忘れ物防止タグ「MAMORIO」を活用した、忘れ物自動通知サービスを9月30日より試験導入する事を発表しました。

MAMORIOとはキーホルダーほどの大きさのプラスチック製のタグで、この中に最大1年使用出来るリチウム電池とBluetoothレシーバーがセットになっています。

お持ちのスマートフォンに専用アプリをインストールし、これを通じて使用するMAMORIOとのリンクを設定します。そしてこのMAMORIOをキーホルダーやバッグ、手帳などに繋ぎます。MAMORIO自体が小さく平たく、穴の開いている構造なので、リングでつけたり紐で結わいつけたり、バッグの中に入れておくだけでもいい事になります。

imageこうして関連付けが確立したMAMORIOがついている機器が手元を離れると、まずスマートフォンに何時何処でリンクが切れたかが通知されます。これによって探す場所の最初の見当をつける事が出来る、と言う訳です。

そしてもしそこで見つける事が出来なくても、他のMAMORIOユーザーがなくしたものの近くをすれ違うと、その位置情報を通知してくれる「みんなでさがす機能」もあります(MAMORIOそのものには広域通信の機能やGPSの機能はありません)。

更に遺失物センター等がMAMORIO Spotとして登録されていると、MAMORIOが届けられればそれが持ち主に通知される機能、と言う物もあります。

京浜急行電鉄、東京都交通局(都営地下鉄、都バス、都電、舎人ライナー)、京成電鉄では各社の遺失物収集センターにMAMORIO Spot用のアンテナを設置する事で、電車内などに残った忘れ物が届けられると、職員が確認、通知する以前にMAMORIO自体で連絡がされる、と言う事になります。

具体的な設置場所は以下の通りです。

京急線:京急お忘れ物センター、品川駅、羽田空港国内線ターミナル駅、金沢文庫駅に

都営交通:東京都交通局お忘れものセンター(都営三田線・大江戸線春日駅から徒歩1分)

京成線:京成高砂駅に隣接するお忘れものセンター、京成上野駅、京成津田沼駅、京成成田駅、空港第2ビル駅の駅長室

忘れ物はしない、が一番ですが、大事なものを扱うなら、こうした備えはしてもいいかもしれません。

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