2017年 5月

未来を感じさせてくれるコンビニ、と言えるのでしょうか。

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アメリカのAmazon.comは3月に無人のコンビニエンスストア「Amazon Go」をオープンする予定でしたが、この計画が遅延しているそうです。

なぜ遅延しているのか、と言う事以前に、そもそも無人のコンビニエンスストアなんて作れるのか、という疑問もある訳ですが。

まずこのコンビニの仕組みですが、入店する際にお客さんは自身のスマホにこのコンビニを使う為の専用アプリをインストールしておき、これを店の入り口にある自動改札の様な機器にかざして入店します。

店内には多数のセンサーとカメラがあり、お客さんの動きを逐一チェックしており、商品を手に取り、カバンに入れるとそこで「購入」と見なされ、全ての買い物が終わって店を出ると、スマホに購入商品の一覧と決済情報が送られてきて、代金はアプリに登録しているクレジットカードから引き落とされる、と言う事になります。バッグに入れたものを再び陳列棚に戻せば、購入をキャンセルしたとみなし、会計には計上されません。

この仕組みによりレジそのものがなくなり、乾物系のものであれば、商品補充も自動で可能ですから、無人でのコンビニ運用も可能、と言う事になるのです。

この話を聞くと本当にそんな事が出来るの、と疑問に思われるかもしれませんが、お客さんが少人数である、とか、ゆっくり買い物をしている状態であれば既に実用できるレベルに達しているそうで、後は短時間にお客さんが集中して来店する様な場合に処理が追い付ていない点をクリアにすればオープンは可能なのだそうで、今現在オープンが遅延しているのは、この点をクリアできてないから、だそうです。

さて、実は日本のコンビニも2025年までにはレジを無人化する計画を各社が打ち出しています。但しこちらはAmazon Goの様な無人化ではなく、機械によるレジの自動化やセルフレジの様なものの導入により、店員の作業効率を上げるのが狙いです。

つまり、コンビニエンスストアはそう遠くない将来、今以上に少ない人数で運営するか、完全無人化するかと言う事になります。

実際、現在のコンビニは売上高に対して人件費の比率が大よそ1割程度とされていますが、それらが削減できるとコンビニ業界全体で年間1兆円程度の利益が増えると予想されています。しかしそれ以上に減少している日本の労働者人口の問題も解決出来る、今までコンビニで働いていた人たちを別の仕事にシフト出来る効果も期待されています。

しかし、コスト安の為とは言え、人を介さない小売店と言うのも、年長者にはなじみにくそうですね。

近所のスーパーのレジも色々合理化、IT化してますが、これはその上をいきそうですね。

今年の4月にTwitterに挙がった1つのつぶやきが、驚きの声と共に波及しています。

それはとある道の駅のパン屋さんの会計システムです。

トレイに載ったパンをレジに置くと、カメラでそれを撮影し、個別のパンの種類を検出、自動的に個数と金額を計算してくれるというシステムです。

このマシンの名前は「ベーカリースキャン」と言い、兵庫県のシステム開発会社「ブレイン」が4年前からパン屋さんに提供しているシステムです。

一般的なパン屋の場合、レジ担当者がパンを目で見て、商品選別をしてレジを入力するものですが、しかしこの方法にはある程度の熟練が必要です。まだ仕事について間がないレジ担当者だと似た様なパンの見分けが十分に出来ず、接客が滞ってしまいます。パンそのものにバーコード等を付ける方法もありますが、それは袋に詰めたパンなら出来る話で、焼きたてパンにはその様な操作も出来ません。

そこで考えられたのが、顔認証システムなどでも使われる映像解析で個々のパンを識別する方法です。しかしこれも、同じ様な形状のパンがいくつもあるとそう思った程簡単には行きません。また同じ商品のパンであってもその日の焼き加減や具材の混ざり方などでも見かけは変わってしまいます。

そこでパンの「特微量」を見出し、これをスコア化する方法で個別に識別出来る方法を見つけ、この方法により、パン1種類の識別学習を約2分程度で出来る様にしたのです。

更にパンのトレー上の置き方も、近寄って置いてしまったら複数のパンも1個に認識されてしまう、という問題をレジ担当者がタッチパネルで識別修正できるようにしたのです。

これにより、レジ台にパンを置くだけで瞬時に個々のパンを識別し会計出来るシステムが出来たのです。レジ担当者の錬度が低くても、これなら間違いはない、と言う訳です。

因みにこのシステム、千葉ではJR千葉駅3階にある『ピーターパンJr. ペリエ千葉エキナカ店』で採用されています。近くに立ち寄った際は見てみてはいかがでしょ。

簡単に出来る動画投稿ですが、その分闇も深そうです。

米国在住のマイク・マーティンとその妻は、5人いる子どものうち2人を日常的に虐待したとしてその親権を剥奪されました…これだけだと単なる何処にでもあるニュースの様に見えますが、実はこの夫婦は子供を虐待する様子を動画に撮影してYoutubeに投稿してた、いわゆる「Youtuber」だったのです。

虐待と言ってもぶったり蹴ったりする様な肉体的な苦痛を与えるのではなく、からかい、罵り、叱りつける、と言った精神的な物が多く、その反応を見て嘲笑する様な内容の動画を投稿していました。

さらに問題なのはこうした動画を投稿する夫婦のYoutubeチャンネルに76万人以上のチャンネル登録視聴者がいたという点です。

Youtubeはその動画の再生回数に応じて投稿者に対して広告料が支払われます。日本のYoutubeの場合、1回の再生でおよそ0.1円程度の広告料が支払われる事になっているので、単純に計算しても、76万人のチャンネル登録者数がいるYoutuberなら、1回の動画投稿で約7万円程の収入を得る事が可能になります。動画投稿は1日に何回でも出来ますから、1日3回投稿すればそれだけでも20万円以上の収入となる訳です。

おそらくはこの様な安易な投稿で収入を得られるようになる、いわゆる「濡れ手に粟」の状態になってしまった事がこの夫婦の動画をエスカレートさせる要因になったのでは、と思います。

この夫婦は他のYoutuberから動画内容について批判される様な事があっても、それに反論する様な動画(「動画の内容は全てシナリオ通りであり、その内容に子供達も満足している」と息巻いて見せていたそうです)を再び投稿し、反省する様子は見せずにいたのですが、この辺りから事態は一気に炎上状態になっていきます。

結果的に、多くの視聴者が夫婦の動画に批判コメントを残すようになり、更に虐待されている子供たちの本当の母親と名乗る人まで現れ、4月28日にはこの方が子供たちの一時的な保護者としての権利を得て、この夫婦から引き離される事になりました。

Youtube側もこの夫婦の動画からは広告を引き揚げてしまい、更に危機管理PRチームの助言により、夫婦はこれまで投稿した動画を消去して、チャンネルには謝罪動画だけ残す状態になりました。夫婦は今では自ら進んでカウンセリングを受けているそうです。

カメラ付きスマホやカメラ付パソコンのおかげでYoutubeへの動画投稿は簡単に出来る様になり、しかも再生回数に応じて収入も得られる、となると、供の将来なりたい職業にYoutuberが出てくるのも分からなくはない話ですが、しかし前述のとおり、Youtubeは再生回数を上げなければ収入には結び付きません。

一方でこの夫婦の様に禁断の方法に手を出したら、それはそれで問題です。

まさに簡単に出来ることほど闇は深く暗いですね。

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