2015年 7月

さて、これで中高年にもボーカロイド熱があがるでしょうか。

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ヤマハが開発した音声合成システム「ボーカロイド」は2007年に「初音ミク」と言う形で世に出て以降、その斬新なシステムと簡便な操作で瞬く間に人気のソフトになりました。

ボーカロイドとは本来はヤマハが開発した音声合成のシステムそのものを指しています。つまりこれは一種の『楽器』とも言うべきシステムで、ここに歌手や声優の声を乗せる事で様々なキャラクターが作られていくのです。

初音ミクの場合は当時新人声優だった藤田咲の音声が使われていますが、音声部分は色々な方の声が使われた製品がその後に出ており、その中にはシンガーソングライターのGACTOの声を使った「がくっぽいど」、女優の柴崎コウの声を使った「ギャラ子NEO」、坂本龍一の娘の歌手、坂本美雨の声を使った「Mew」等もありますが、今回、満を持してそのラインナップに小林幸子が加わりその名も「sachiko」として7月27日に販売開始されました。

これまでこの系統のソフトには年長の歌手が採用された事例は少なく、あっても外国人歌手が何人かいたくらいのもので、純粋に日本人、しかも演歌歌手の採用は初めてです。そのせいもあって、この「sachiko」には独特のこぶしやしゃくりを再現出来る「Sachikobushi」と言うプラグインも付属しています。

小林幸子と言えば、近年では長年契約してきたレコード会社との契約解除したり、所属事務所の社長、専務を解任したりと従来型の芸能活動から離れた活動が増えていますが、一方でインターネットの動画投稿サイト「ニコニコ動画」に他者の歌を歌って、その様子を投稿する等、インターネットに積極的に関わる様になってきており、一部のネットユーザーからは「ラスボス」とも呼ばれています。これは年末の紅白歌合戦で使用する巨大な衣装が、まるでロールプレイングゲームの最後のボスキャラクタの様だ、と言う事で名づけられたあだ名ですが、当人もこのあだ名は不快感を示しておらず、むしろそれに乗って楽しんでいる所があります。

 

今回そうした流れの一つとして、ネットユーザーと親和性の高いボーカロイドの声に採用された訳ですが、これによってこれまではボーカロイドに興味はあっても若い子の声しか扱えずに躊躇してた中高年のパソコン愛好家にも門戸を開くきっかけが出来たのではないか、と思ったりもします。

ただ、当の小林幸子自身は「sachiko」で曲を作った後に「自分で歌ったほうが楽かなと言ってるそうです。

子供から「YouTube見るからパソコン貸して」と言われる日が来るでしょうか。

ミクシィは、スマートフォンゲーム「モンスターストライク」(モンスト)のオリジナルアニメを、10月10日からYouTubeで世界同時配信する事を先日発表しました。

モンスターストライク」はスマートフォン用のゲームです。

モンスターの入っているボールが画面上に表示され、これを引っ張り弾き飛ばして敵のモンスターを倒すゲームになります。特徴的なのは周辺にいる有人ユーザー(最大4人)でグループを作り、このグループのモンスターボールも同時に弾き飛ばす事で更に効果的な攻撃が可能になる遊び方です。

この遊びを実現する為にスマートフォンのGPS機能を使っており、これにより、より簡単に周囲にいる友人知人をグループ化する事が可能になり、新感覚で多人数で遊べるスマホゲームとして大人気になっています。

この人気を受け、秋からこのゲームをモチーフにしたアニメが製作されるのですが、これまでこうしたゲーム主導のアニメと言えば「ポケットモンスター」にしろ「妖怪ウォッチ」にしろ、いずれもテレビ放送されるアニメとして製作されてきましたが、今回の「モンスターストライク」はYouTube配信を選んだのです。

元々スマホ用ゲームですから、スマホと親和性の高い動画メディアとなるとテレビよりはYouTube配信、となるのも自然の流れですし、また配信する際には日本語のほか英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語など多言語に対応する事が表明されているので、世界市場も視野にいれているもの、と言う事も言えます。YouTubeのコンテンツと言う事で、1話当たりの時間数も7分程度のショートムービーになる様です。

この秋からは民法のテレビ放送もインターネットを使って見逃した番組を無料視聴出来るサービス「TVer(ティーバー)」も始まり、ますますテレビとネットの垣根はなくなりそうですね。

もう子供達にとっては携帯=スマホ、と言う時代なのでしょうか。

フィルタリング機能付きwebブラウザの開発を行っているITセキュリティの企業であるデジタルアーツ社は7月7日に「未成年者の携帯電話・スマートフォンの利用実態調査」の結果を発表しました。

調査は10~18歳の男女618名を対象に端末でのインターネット接続の利用実態を調べ、併せて0~9歳までの子供を持つ保護者597名を対象にどのような意識・意向で子どもにインターネット接続端末を使わせているか調査しました。

その結果を見ると、子供たちのスマートフォンを使用している割合は全体の67.3%に達し、半年前の前回調査より1.5%増加しています。

更にその内訳をみると小学生の40.8%、中学生の62.1%、高校生は99.0%がスマートフォンを利用している、と言う結果になりました。

つまり、今時の子供にとっては『携帯電話=スマートフォン』と言う認識が急速に高まっている、と言う事にもなっている、と言えるのです。

ただ、同社はフィルタリング機能付きwebブラウザを開発する企業であり、この調査もこれらアプリの品質向上の一環になる訳ですが、そのフィルタリングの使用率を見ると、全体で48.2%、前回調査より0.4%減少しているとの事です

フィルタリングは未成年者に対して悪影響を及ぼしかねないwebページを自動で非表示に出来る機能ですが、これの利用率が全体の半分程度、と言うのは使用する子供、買い与える保護者、共に理解、意識の低さを感じる所です。

この調査では『子どもが端末機器を使用するのに最適な年齢は』と言う項目もあり、「小学1~3年生」と考える親が最も多く22.9%と言う事だそうですが、しかし一方で小学生全体のフィルタリング使用率は40.1%(前回比14.6%増)、男女別だと男子小学生で40.5%(前回比8.2%減)、女子小学生は39.7%(前回比20.6%増)と、ここも聊か言ってる事とやってる事の乖離を感じる所です。

便利な機械ですから持たせること自体を否定はしませんが、同時に使い方を誤れば危うい機械なのですから、保護者が安全性を意識して使わせるべきと思いますがいかがなものでしょう。

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