2017年 12月

1年後には携帯業界も大きく変化してる、かも知れません。

12月14日、NHKニュースと日本経済新聞は、通信販売大手の楽天が携帯帯電話事業に本格参入する事を報道しました。

これまで楽天は「楽天モバイル」と言う形で携帯電話事業を手掛けてきましたが、これはdocomoから携帯電話回線を大口で買い取り、これを小口にして再販する、いわゆる仮想移動体通信事業者(MVNO)でした。つまり、携帯電話としてのインフラ整備は行わず、電話機と回線の販売だけを専門に行う事業者としての活動でした。

今回の報道では楽天は自社資本による独自の回線網を整備した、docomoやau、Softbankと並ぶ移動体通信事業者(MNO)として事業展開をする、と言う事になります。報道によると、楽天は2018年1月に新会社を設立し総務省に電波の割り当てを申請、これが認可されると2019年度中にサービス提供が開始できる、となります。

報道などでは楽天の今回の携帯電話事業参入を「第4の携帯キャリア」と称していますが、実はこれまでも第4の携帯キャリアとなろうとしてた会社は幾つか存在します。

「イーモバイル」の画像検索結果例えば現在はYmobileとしてSoftbankの傘下に入っているイー・モバイルは2006年からデータ通信専用端末を中心にして事業展開を行ってきました。2008年からは音声通話端末も扱う様になり、実質的に第4の携帯事業者になりましたが、2012年からはSoftbankの子会社になり、結果的に現在はSoftbankのサブブランドとしてYmobileを展開するに至っています。

画像検索結果ウィルコムをはじめとするPHS(パーソナル・ハンディフォン・システム)も大手携帯会社とは別の独立した会社として運営されていましたが、PHSは送信出力が携帯電話より小さいため、広範囲での使用が難しく、データ通信の速度も元々の規格上、第3世代携帯電話ほど高速化できず、最後まで事業継続していたウィルコムもソフトバンクに買収され、18年3月末でPHSの新規契約は停止される事になっています。

この様に「第4の携帯キャリア」はこれまでも出ては消え、出ては消え、を繰り返しています。果たして楽天の携帯キャリア事業もこれまでの轍を踏まない様に出来るのかはいささか微妙な気もします。一方で楽天モバイルは11月に、MVNO事業者のFREETELを展開していたプラスワンマーケティング社からMVNO事業を買収しています(プラスワンマーケティング社はその後会社更生法を適応して事実上破たん)ので、現在の利用者数は140万人を超えています。

これらの資産は活かしつつ、新たな携帯事業が何処まで展開できるでしょうか。

 

2018年のノートパソコンのトレンドは「電池長持ち」になりそうです。

12月の上旬、ハワイで「Qualcomm Snapdragon Tech Summit(クアルコム スナップドラゴン タッチ サミット)」と言うイベントが開催されていました。

なんだかよくわからない単語の羅列の様に思えますが、分解してみると意味が多少わかります。

クアルコム、というのはアメリカの移動体通信の技術開発やそれに必要な半導体の設計開発を行っている企業で、現在の携帯電話、スマートフォンは殆どの機種がこのクアルコムが開発した通信技術を使っています。

ではスナップドラゴンは、と言うと、これは現在アンドロイドOSが動作する多くのスマートフォンで採用されているCPUの愛称になります。当然ですが開発したのは前述のクアルコムになります。

そしてタッチ、とサミット、です。つまりこのイベントはクアルコム社が自社の開発したCPUであるスナップドラゴンを中心に触って確かめる事が出来る大規模会議、と言う事になります。

ここでは現在一般で使用されている技術を使って光ファイバー網を超える通信速度を実験して見せたり次の世代(第5世代)の商用サービスが2019年にも始まるであろうという見通しが発表される等、今後数年の携帯電話業界の動向を予言する様な内容が盛りだくさん語られています。

そんな中、パソコンメーカーのヒューレットパッカード(HP)が出品したのが「HP ENVY x2」と言う2in1パソコンです。2in1パソコンとはキーボードを合体させるとノートパソコンの様に使え、分離すればディスプレイ部だけでタブレット型パソコンとして使用出来るものです。

一般的にWindowsが動作するパソコンではインテル社製かAMD社製のCPUが使われています。これはWindowsと言うソフトウェアがインテル社のCPUで動作する事を前提に作られており、AMD社のCPUはインテル社のCPUと互換性を持つ事でWindowsが動作する、という作りになっていました。つまり、Windowsパソコンを選ぶ場合、純正と言う事で考えればインテル社のCPUを搭載したパソコン、安価である事を考えればAMD社のCPUでも可、と言う事だったのです。

しかし今回HPが出展した「HP ENVY x2」にはクアルコム社のCPU、Snapdragon835が搭載されていました。つまり、スマートフォンに搭載されているCPUとおよそ同じものが搭載されたWindowsパソコン、と言う事になったのです。

これによって一番大きなメリットになるのはバッテリーによる駆動時間の長時間化です。元々スマートフォン用CPUですから、長時間駆動するという点においてはパソコン用のCPUより優れています(パソコン用CPUはそもそもコンセントから電源を取って動作するパソコンを前提に設計されており、ノートパソコンの様なバッテリー駆動もするパソコンについてはデスクトップパソコン用CPUをベースに改良を加えて作っている、と言うのが実情です。つまり、元々電源管理についてはそれほど強くない、と言う事が言えるのです)。

実際、このEnvy x2はバッテリーによる連続駆動時間が20時間もあり、これまでのノートパソコンの常識を覆す様なパフォーマンスを見せているのです。

更にスマホ用CPUと言う事は携帯回線を使った通信に関してもパソコン用CPUより長じてる部分もあり、Envy x2にも1Gbpsの速度で通信出来る機能が搭載されています。

これまでこうした長時間動作するノートパソコンには低電力で動作するインテル製CPUの「Atom(アトム)」が採用されてきましたが、Atomは長時間駆動こそ可能になりますがCPUとしての処理能力はイマイチで、仕事でパソコンを使う人からすれば、バックアップ用とかサブ用のパソコン以上のものではない、と言う考えでした。

このスナップドラゴン搭載Windowsパソコンでは意外と動作が機敏でサクサク動く、と言うのがある様です。勿論これはスマホ用CPUで動作する様にチューニングされたWindowsと言う事もありますが、しかしwebブラウザでWebページを見たり、WordやExcelで作業をするという様な使い方ならこれでも十分に行けそうです。

そして連続動作20時間、携帯回線での通信も可能、となると移動の多い、出先で仕事の多い人にとっては非常に魅力的なパソコンになるかもしれません。

更にこれが一般利用者向けに販売されれば、長時間バッテリー動作というのも見逃せなくなるでしょう。他社もこれに追従するとなると、これまでのノートパソコン=駆動時間は短い、と言う常識は覆されるかも知れませんね。

 

最近こんな話題ばかり、の様な気もしますが。

「フレッツADSL」の画像検索結果

NTT東日本/西日本は11月30日に2023年1月31日に高速インターネット接続サービス「フレッツADSL」の提供を終了する、と発表しました。

と言っても、2017年の今から計算すればあと5年後の話ですし、新規の申し込み受付も16年6月末で終了しています。既に光回線に切り替えている方からすれば、なにを今更な話かも知れません。

フレッツ光が提供されてないエリアではフレッツADSLの提供を終了する予定はない、とされていますが、しかしNTT東日本管内の約99%、NTT西日本の約93%のエリアでは既にフレッツ光が提供されていますから、このエリアが今後5年で100%になれば、必然的にフレッツADSLの利用提供も2023年に終了、と言う事になります。

サービス終了の理由は光回線への転向でユーザー数自体が減少している事もありますが、サービス提供をする上での保守物品が枯渇して来た、と言う問題もあります。

接続構成例 フレッツ・ADSL(電話共用型)の場合

元々フレッツADSLは既存の電話交換機とメタル線をそのまま活かして、しかし携帯電話回線よりも安定した高速のデータ通信が可能になる技術を使っています。

この既存の電話回線の設備については2016年8月4週のトピックでもご紹介した通り、交換機や中継器の機器が老朽化や製造終了によって維持し続ける事が困難になってきており、この当時は2025年頃にはサービス提供が出来なくなると見られていました。

しかし今回、フレッツADSLの提供終了が2023年1月末日と決まったという事は、アナログ電話サービスの終了もおそらくその前後になるのでは、考えられるのです。

NTT側も2015年には既存の公衆電話交換網(PSTN=(Public Switched Telephone Network)をIP網(=Internet Protocol Network)に切り替える構想を挙げていますが、これへの切替も2023には終わらせる事になるかもしれません。

さて、フレッツADSLが終了と言う事は、これを使ってネット接続をユーザーに提供しているプロバイダにも影響が出てきます

現在プロバイダ各社はADSLでの接続と光回線での接続ではサービス内容や月額の利用料金に格差をつけていますが、ADSLの回線サービス自体が無くなればこれらの料金プランも変わらざるを得ない事になります。ただ、まだ各社とも今後の対応は検討するというコメントに留まり、具体的にどうなるかは決まってない様です。

携帯電話が定額で話し放題になっている昨今、固定電話を持つ理由は大分薄れてきています。個人的には固定電話はもう消えてなくなるのではないか、と思ってたりするんですが。生き残るとしたらFAX用でしょうかね。携帯電話回線でFAXが使えない理由はそこですから。

 

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