2016年 3月

VRゴーグルは今年のトレンドになりそうな予感ですね。

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ソニー・コンピュータエンターティメント(SCE) は3月16日、先日のゲーム・デベロッパー・カンファレンス(GDC)2016で発表した同社のゲーム機プレイステーション4(PS4)に接続して使用するバーチャルリアリティ・ゴーグル「Morpheus(モーフィアス)」を2016年10月に価格44980円(税別)で販売する事を発表しました。

Morpheusはヘッドバンドに付属する大きなゴーグルで、これを頭に装着すると目の前に巨大な画面が登場したような状態になります。

映像処理はPS4側で行い、コントローラーを操作するとそのままゲームが出来ると言う訳ですが、単なるゴーグルではなく、ヴァーチャルリアリティを再現する為にこのゴーグルには各種のセンサーが内蔵されていて、頭を動かせば動かした方向に映像も動く様になります。

これまでのゲームの場合、現在見ている映像の右や左を見る場合はモニターの表示そのものを右/左に切り替える必要がありましたが、VRゴーグルの場合は頭を右に向ければ自動的に右側の映像、上に向ければ上の映像を見る事が出来る様になり、よりゲームに没入できる様になる、と言う訳です。

今年はこの様なVRゴーグルが注目の製品になると言われています。

長年出資者を募って開発が続けられてきたVRヘッドセット「オキュラスリフト」もいよいよ今年販売開始と言われています。1月にアメリカ・ラスベガスで開催された家電製品の国際見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」や、2月にスペインのバルセロナで開催された携帯電話機関連の見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」でも多くの企業からVRゴーグルの見本品が出展されていました。

これらの製品が急速に発展してきた要因はやはりスマートフォンで使用されてきた小型高解像度のモニタ、各種のセンサー、それらをコントロールするCPU関係の小型化の技術が活かされて来たから、だと思われます。

Google CARDBORDの様にスマホを利用した段ボール製のVRゴーグルなんてものもあります。興味のある方は試してみてはいかがでしょう。

 

指紋、網膜に続く個人識別の鍵は「耳」になるでしょうか。

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NECは3月7日に、耳穴の形状を音響的に測定して個人認証に用いる技術を開発したと発表しました。

人間の耳穴の形状は人によって全く異なる形状をしており、この特性を専用のイヤホンを使って識別する、と言う物です。

具体的にはマイクを内蔵した専用のイヤホンからある波長の音を出し、耳穴の中での反響音を測定、その波形を使う事で99%の個人識別を可能にする、と言う物です。

この方式はこれまでの生体認証に比べて利用者の負担、手間が少なく、移動しながらでも作業しながらでも認証が可能、と言う利点があり、今後は保守管理、警備などの分野や音声ガイド、通信業務の分野にも利用が期待されています。

因みに、こうした人体の特性を用いた認証システム=生体認証は今後のパソコンやスマートフォンの利用発展の上で重要な要素になると言われています。

それはこれからのIT機器が扱う非常に多くの個人情報の管理に、従来型のパスワードによる認証では十分な安全が確保できないと言う問題によるものです。

既にWindows10ではこうした状況を踏まえ、生体認証デバイスを用いるログイン方式「Windows Hello」が標準で用意がされています(ただし、初期設定時にはこの機能は無効化されています)ので、利用設定をすればすぐにでも利用が可能です。またスマートフォンのiPhoneやXperia等には指紋センサーが搭載されていますし、富士通のスマートフォン、Arrowsには目の中の虹彩で個人認証をする機種もあります。

勿論これらの方法にも一長一短がありますが、パスワードに頼るセキュリティは今後は縮小していく流れになる様です。

未来のテレビはどうなってしまうのでしょう。

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現在テレビ放送は地デジ化によるHD画質(1280x720ピクセル、720P)やそれを上回るフルHD画質(1920x1080ピクセル、1080P)での放送が行われていますが、この次の世代のテレビ放送を検討する社団法人次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)はこのフルHD画質の4倍の画質を持つ4K(3840x2160ピクセル)放送、更にその上を行く8K(7680x4320ピクセル)放送の規格検討を行っています。現在4K放送は「Channel4K」と言う名称で3月21日まで試験放送を行っており、今年の8月からは4K/8Kスーパーハイビジョン試験放送も予定されており、ますますテレビは高画質化が進む、とされています。

しかし、同フォーラムが昨年暮れに行われた会合でのある資料の内容をめぐり、急に注目が集まっています

その資料とは「広帯域衛星デジタル放送運用規定ver1.0」と言い、今後のBS波を使った4K、8K放送を行う上で基本になる規格書です。その規格書に記載されていたのは「4K放送は録画禁止」と受け取れる様な内容でした。

実際には直接禁止とは表記されていませんが、検討中と言う様な書き方がされており、運用次第では最悪の場合、全ての4K放送番組が録画禁止になる可能性もある、と言う物でした。

こうしたデジタルコンテンツをめぐる複製、つまり録画や録音に関する規格策定はCDやDVD、デジタル放送の規格を決める際にも何度も大モメした経緯があります。

ポイントになるのは複製したものが著作権違反に当たるのではないか、という点、そして複製されたものをインターネット等で違法公開されている現状にどう対処するか、という点です。

前者については「私的流用の範囲であれば」と言う条件付きながら、放送された番組を録画する行為は法的に認められています。しかしネットへの動画データのアップロードは確実に著作権法違反になる行為です。

録画禁止と言う話はこの様な違法アップロード対策と言う事で盛り込まれている物だと思われますが、しかしそれは録画番組を楽しむと言うビデオデッキ登場以後のテレビ放送の楽しみ方を根本から否定する事にもなりかねません。

画質を取るか利便性を取るか、次世代テレビ放送の行方は見守る必要がありそうです。

 

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