3月2週のトピック

未来のテレビはどうなってしまうのでしょう。

image

現在テレビ放送は地デジ化によるHD画質(1280x720ピクセル、720P)やそれを上回るフルHD画質(1920x1080ピクセル、1080P)での放送が行われていますが、この次の世代のテレビ放送を検討する社団法人次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)はこのフルHD画質の4倍の画質を持つ4K(3840x2160ピクセル)放送、更にその上を行く8K(7680x4320ピクセル)放送の規格検討を行っています。現在4K放送は「Channel4K」と言う名称で3月21日まで試験放送を行っており、今年の8月からは4K/8Kスーパーハイビジョン試験放送も予定されており、ますますテレビは高画質化が進む、とされています。

しかし、同フォーラムが昨年暮れに行われた会合でのある資料の内容をめぐり、急に注目が集まっています

その資料とは「広帯域衛星デジタル放送運用規定ver1.0」と言い、今後のBS波を使った4K、8K放送を行う上で基本になる規格書です。その規格書に記載されていたのは「4K放送は録画禁止」と受け取れる様な内容でした。

実際には直接禁止とは表記されていませんが、検討中と言う様な書き方がされており、運用次第では最悪の場合、全ての4K放送番組が録画禁止になる可能性もある、と言う物でした。

こうしたデジタルコンテンツをめぐる複製、つまり録画や録音に関する規格策定はCDやDVD、デジタル放送の規格を決める際にも何度も大モメした経緯があります。

ポイントになるのは複製したものが著作権違反に当たるのではないか、という点、そして複製されたものをインターネット等で違法公開されている現状にどう対処するか、という点です。

前者については「私的流用の範囲であれば」と言う条件付きながら、放送された番組を録画する行為は法的に認められています。しかしネットへの動画データのアップロードは確実に著作権法違反になる行為です。

録画禁止と言う話はこの様な違法アップロード対策と言う事で盛り込まれている物だと思われますが、しかしそれは録画番組を楽しむと言うビデオデッキ登場以後のテレビ放送の楽しみ方を根本から否定する事にもなりかねません。

画質を取るか利便性を取るか、次世代テレビ放送の行方は見守る必要がありそうです。

 

2024年4月
« 4月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930