2015年 3月

三菱の大画面テレビをお持ちの方はびっくりしたでしょう。

3月29日に三菱電機製の大画面テレビ「REAL」シリーズの一部の機種において、突然再起動と暗転を繰り替えす不具合が全国的に発生した事を明らかにしました。

因みにこの現象は29日正午以降は発生してないそうです。

なぜこのような現象が起きたのか、と言うと、これはテレビのファームウェア(テレビの基本ソフトウェア。パソコンのOSに当たる様な物)を電波に乗せて更新する際に三菱電機以外の何らかのデータが混信してしまい、それによってこの様な現象が起きてしまった、との事です。

実はテレビに限らず、最近の電子機器は多くの場合、パソコンと同じく基本ソフトウェアで動作する様に作られています。但し、パソコンと違うのは、パソコン用のOSが各パソコンメーカー共通の物を使用するのに対して、電子機器の場合はそれぞれの機器に専用のソフトウェアを組み込んでいる点です。故にこうしたソフトウェアは「ファームウェア」と呼ばれており、一般利用者はそれを意識することなく電子機器の利用が可能になっているのです。

そして何らかのネットワークに接続出来る機器の場合、このファームウェアの更新が深夜にひっそり行われていたりします。これはユーザーに対して負担を掛けない様にする為の措置なのですが、今回はそのひっそりアップデートの際に正しくないデータが混在してしまい、この様なトラブルになったと言う訳です。

三菱電機も29日正午までに原因を特定出来、既に改修データを配布しています。

ユーザー側はやはり特別な操作をすることなく、自動で改修済みのファームウェアが組み込まれ、今後は問題なく操作が出来る様になります。

いよいよ全てのケーブルがパソコンから消える時代、の始まりでしょうか。

3月10日の早朝、Appleが春の新商品を紹介するスペシャルイベントを開催し、かねてから噂のあった腕時計型デバイス「Apple Watch」を発表しました。

各社のニュースでもこの商品は大きく取り上げられましたが、パソコン業界としてはそれ以上に、同時に発表された新しいノートパソコン「MacBook」の方に注目が厚かったのでは、と思ってます。

薄型、軽量、ゴールドのボディカラー、高級キーボードにも使われているバタフライ方式のキーボード、等、多くの注目点がある機体ですが、とりわけ目を引くのがUSB3.1 Type-Cコネクタです。

実は新しいMacBookには拡張用のポートはこのUSB3.1 Type-Cコネクタ1つしかありません。AC用のコネクタはもちろん、有線LANポートもHDMIポートもなく、従来型のUSBポートすらないのです。

このUSB3.1 Type-CコネクタはこれまでのUSBコネクタが「(フルサイズ)USB」「mini USB」「micro USB」と追加の後発規格が乱立し、利用者が不便になっていたものを解消する為により汎用性の高い新しい規格のコネクタを作ろう、と言う事で設計されたものです。

まず特徴として、上下どちらで差し込んでも認識するコネクタ形状を採用し、これまでの様な逆刺しによる破損を無くすようになっています。

更に転送速度も高速化し、USB2.0では480MbpsだったものをUSB3.1ではその20倍以上の10Mbpsまで引き上げ、また扱える信号もUSBによるデータ信号以外にVGA、HDMI等の映像系の信号、最大10Wまでの電源供給にも使える様に規格されています。

もちろん、従来のUSBポートでも使われている様なキーボードやマウスの接続、スピーカーやヘッドセット等のオーディオ系機器の接続、変換コネクタを介しての有線LANケーブル接続も可能となっています。

つまり、MacBookがType-Cコネクタ1つだけしか用意してないというのは、スマートフォンやタブレット端末と同様に、パソコンもワイヤレスで使用する事を前提にしている、パソコンもコードを引き回して使用するのは時代遅れになる、と言う提案の具現化と言えるかと思われるのです。

考えてみれば、一般住宅においても無線LANでのネット接続が普通になり、プリンタもネットワークに組み込んで一家に1台の時代です。イヤホンやヘッドセットはBluetoothで接続し、デジタルカメラも無線LANでデータ転送、個人のデータ保存もクラウドストレージを利用するのが当たり前になりつつあります。

この調子で行くと、近い将来パソコンにケーブルを繋ぐ必要は充電以外ではなくなるかもしれませんね。

大画面テレビでYouTubeを楽しんでいる方は要注意ですね。

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Googleは今年の1月に、2012年以前に製造されていたPanasonic、Sony製のテレビ、ブルーレイディスクプレイヤー、AVアンプ、ウォークマン、ケーブルテレビのチューナー等の一部の機種に搭載されている「YouTube視聴アプリ」のサポートを今年の4月20日をもって終了する、と発表しました。

これを受けてテレビメーカー各社は現在、テレビのメール機能などを使ってこの件の案内を行っています。

心当たりのある方はメーカーのwebサイトで確認してみて下さい。

Panasonicの案内ページ

Sonyの案内ページ

 

今後これらのテレビでは直接YouTubeを視聴する事は難しくなるかと思われますが、代替案として以下の様な方法があります。

1)ChromeCastを使う

テレビのHDMI端子に接続する小さな装置ですが、無線LANを介してスマホと接続し、スマホの操作でYouTubeを視聴したり、スマホ内の写真を閲覧したりする事が出来ます。

2)Nexus Playerを使う

家庭用ゲーム機の様な大きさですが、リモコン操作でYouTubeを視聴で来たり、一部のAndroidスマートフォン用ゲームのプレイも出来ます。

またNexus Playerは現在、YモバイルのNexus6に、docomo/au/ソフトバンクからMNP(番号ポータビリティ)で乗り換えをした方にプレゼントされていますので、携帯を機種変更する方はこれも検討してみてはいかがでしょうか。

3)家庭用ゲーム機で視聴する

プレイステーション4やWii U等の家庭用ゲーム機でもYouTubeを視聴する事は可能です。

家具を買う時に、今度からはこれも考えないといけないかもしれませんね。

yu_ikea1

北欧家具の製造販売を行うIKEAから、3月1日に新しい家具が発売されました。

写真がそのうちの一つのベッドサイドテーブルです。一見して何の変哲もないテーブルですが、中ほどに見える大き目な十字のマークがちょっと目立ちますね。

実はこれ、ビスやボルトではなく、携帯電話の「充電器」なのです。

十字マークの部分には無線充電の為の充電器が仕込まれており、対応するスマートフォンやタブレット端末を置くだけで充電が出来る、と言う訳です。

この無線充電はWireless Power Consortium(ワイヤレス パワー コンソーシアム、WPC)が制定している国際規格「Qi(チィー)」に基づいて作られており、これに対応するスマホやタブレットは各国でも数多く販売されています。日本では主にdocomoのスマートフォンに多く採用されていますし、iPhoneには被せる事でQiでの充電を可能にする「充電ジャケット」なるアクセサリもあります。

実はIKEAは上記のWPCのメンバー企業の一つです。通常こうした規格団体にはIT系企業の名前が連なるものですが、マイクロソフトやサムスン、LG、ソニー、パナソニック、東芝と言った名だたるIT系、家電系企業とIKEAが肩を並べている、と言う事は、こうした機能を家具の中に、生活の中に自然に溶け込ませる様にと言う考えが読み取れるかと思います。

DURACELL POWERMAT WIRELESS CHARGING STARBUCKS

 

ただ、この無線充電には現在世界中に3つの業界団体があり、アメリカではPowermat(パワーマット)規格を勧めるPMAと言う団体の方が優勢となっています。

スターバックスコーヒーの客席にも無線充電器が埋め込まれていますが(左写真)、これはPMA方式のものです。

互換性がないものがそれぞれ覇権争いをしてる様な状況と言う事になると、ユーザーが混乱する原因にもなりかねません。個人的には早々に統一規格にしてほしいと思います。

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