2015年 3月 17日

いよいよ全てのケーブルがパソコンから消える時代、の始まりでしょうか。

3月10日の早朝、Appleが春の新商品を紹介するスペシャルイベントを開催し、かねてから噂のあった腕時計型デバイス「Apple Watch」を発表しました。

各社のニュースでもこの商品は大きく取り上げられましたが、パソコン業界としてはそれ以上に、同時に発表された新しいノートパソコン「MacBook」の方に注目が厚かったのでは、と思ってます。

薄型、軽量、ゴールドのボディカラー、高級キーボードにも使われているバタフライ方式のキーボード、等、多くの注目点がある機体ですが、とりわけ目を引くのがUSB3.1 Type-Cコネクタです。

実は新しいMacBookには拡張用のポートはこのUSB3.1 Type-Cコネクタ1つしかありません。AC用のコネクタはもちろん、有線LANポートもHDMIポートもなく、従来型のUSBポートすらないのです。

このUSB3.1 Type-CコネクタはこれまでのUSBコネクタが「(フルサイズ)USB」「mini USB」「micro USB」と追加の後発規格が乱立し、利用者が不便になっていたものを解消する為により汎用性の高い新しい規格のコネクタを作ろう、と言う事で設計されたものです。

まず特徴として、上下どちらで差し込んでも認識するコネクタ形状を採用し、これまでの様な逆刺しによる破損を無くすようになっています。

更に転送速度も高速化し、USB2.0では480MbpsだったものをUSB3.1ではその20倍以上の10Mbpsまで引き上げ、また扱える信号もUSBによるデータ信号以外にVGA、HDMI等の映像系の信号、最大10Wまでの電源供給にも使える様に規格されています。

もちろん、従来のUSBポートでも使われている様なキーボードやマウスの接続、スピーカーやヘッドセット等のオーディオ系機器の接続、変換コネクタを介しての有線LANケーブル接続も可能となっています。

つまり、MacBookがType-Cコネクタ1つだけしか用意してないというのは、スマートフォンやタブレット端末と同様に、パソコンもワイヤレスで使用する事を前提にしている、パソコンもコードを引き回して使用するのは時代遅れになる、と言う提案の具現化と言えるかと思われるのです。

考えてみれば、一般住宅においても無線LANでのネット接続が普通になり、プリンタもネットワークに組み込んで一家に1台の時代です。イヤホンやヘッドセットはBluetoothで接続し、デジタルカメラも無線LANでデータ転送、個人のデータ保存もクラウドストレージを利用するのが当たり前になりつつあります。

この調子で行くと、近い将来パソコンにケーブルを繋ぐ必要は充電以外ではなくなるかもしれませんね。

2015年3月
« 2月   4月 »
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031