2017年 1月

中国との間でネット通信してる人には、少々頭の痛い話です。

中国の行政機関、工業情報化部は現地時間で1月22日、行政の許可を得ない違法な仮想プライベートネットワーク(VPN、Virtual private network)の監視体制を強化する、と発表しました。

これにより、中国から/中国へのインターネット接続はかなり厳しくなることが予想されます。

VPNとはインターネットの中に他者からの盗聴、盗み撮りをされる心配のない、安全なネットワーク接続を構築する技術です。

こうしたネットワークの構築の仕方は主に遠方に支社のある会社が安全な社内ネットワークを構築する為に用いる場合に使われますが、近年では海外旅行者がその国での安全なネット接続を担保できない様な場合にVPNを介して日本国内のネットに直接接続出来る様にして、安全性を確保する為に用いられる場合もあります。

またスマートフォンやタブレット端末にはネットワーク設定の中にあらかじめVPNの設定が出来る項目があり、日本ではあまり一般的ではありませんが、海外では個人でもVPNサービスを有料で利用出来る会社もあります。これにより渡航先からでも安全なネット接続が可能になる、その国で制限されているネットサービスも利用出来る、と言う訳です。

さて、なぜ中国がこうしたVPNを制限するか、と言うと、その大きな目的はGoogleの各種サービス(検索、GMail、Google+等)、YoutubeTwitetrFacebookと言った世界的なSNSサービスへのアクセスを制限、監視する事に有ります。

2010~2012年頃、中東の各国で大規模な民主化運動が勃発し、それまでの独裁政権が倒され、民主化運動が促進された、いわゆる「アラブの春」と言う現象が起きましたが、この現象を後押ししたのがFacebookやTwitterによる参加者の連携、連絡でした。

また中国では南京大虐殺や天安門事件についての情報はネットで検索してもその情報が閲覧できない様に、検索サーバーに制限がかけられています。Twitterに至っては、2009年に本家のTwitterが中国内でアクセス遮断され、現在ではこれに似た独自のサービス「新浪微博(シナ・ウェイボー/weibo)」が展開しています(Twitterとの直接の関係はありません)。

こうした国家による情報統制の抜け道としてVPNによって国家の監視を免れるネット接続方法、と言う方法があったのですが、しかし今後はこの措置により、VPNの利用は非常に制限を受ける事が考えられます。

実際、これまでもこうしたネット接続の制限のある国からのネット通信が自由に出来る様にする、プラネックスの「どこでも日本VPN」なんて製品もあった位です。

家族が中国に長期滞在する、とか、中国との間で頻繁に連絡を取る必要がある、と言う方には少々困った問題になりそうです。

 

このゲーム機で任天堂は回復出来るでしょうか。

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この1週間で話題になっているのが、任天堂が発表した新しいゲーム「Nintendo Switch(ニンテンドー スイッチ)」です。

Switchは前作のWii Uから4ぶりの新型ゲーム機になります。このゲームの大きな特徴は、テレビにつないで据置型ゲーム機としても遊べる、そして分離/合体をすると携帯ゲーム機として遊べる、1粒で2度おいしい、を実践したゲーム機なのです。

まず、テレビに繋いで遊ぶ場合、本体をテレビと接続する為の「ドック」と呼ばれる台座にセットし、これをテレビと繋ぎます。

そして無線式のコントローラー(Joy-Con、ジョイコン)を使ってゲームが楽しめる、と言う訳です。

一方、携帯ゲームとして遊ぶ場合、まずジョイコンを右、左、中央の3つのパーツに分解ます。

そして、分解したジョイコンの左右の部分を本体にセットしてドックから引き抜くと、携帯ゲーム機に変身、となります。

本体部分には6.2インチのタッチパネル液晶が採用されており、バッテリも内蔵しているので、これで携帯ゲーム機としても遊べる、と言う訳です。

更にこのジョイコンは左右が独立したコントローラーにもなっており、其々単体でもコントローラーとして遊べるので、例えばWii Uのヌンチャクコントローラーの様に左右で個別の操作をしたり、2人で協力プレイや対戦プレイも可能になります。

また本体部分には折りたたみ式のスタンドも付いているので、テレビの無い場所でも据え置き型ゲーム機のような遊び方が可能になります。

この様に興味深い機能を満載したNintendo Switchですが、販売開始が2017年3月3日価格が29980円と発表されました。

進学祝いとしておねだりされるのに、ちょうどいいタイミングとも言えそうです。お子さん、お孫さんのいるご家庭はご用心、ご用心…

 

この年末年始で人類数千年の歴史は終わった、と言われてしまいました。

年末から年始にかけて、ネット囲碁の世界に突然「Master(マスター)」と名乗るプレイヤーが現れ、プロアマを問わず、世界中の名だたる強豪棋士を相手に60戦60勝を挙げる、と言う囲碁の世界で衝撃的な事件が発生していたのですが、実はこのMasterなるプレイヤーはGoogle傘下の人工知能開発企業「Google DeepMind(ディープマインド)」が開発したコンピュータ囲碁プログラム「Alpha Go(アルファ碁)」の新型である事が、CEOのデミス・ハサビス氏の1月5日のツィッターでの発言で明らかになりました。

Masterは12月30日から1月4日までの間、Tygem(東アジア最大のオンライン囲碁対局サービス。日本では「東洋囲碁」の名前でサービス提供中)とFoxGo(こちらも世界最大規模のオンライン囲碁対局サービス。日本では「野狐囲碁」の名前でサービス提供中)に現れ、ここで60戦無敗と言うとてつもない強さを見せつけました。しかもこの際にMasterと対戦したのは、世界のトップ棋士も多数含まれており、中には日本のプロ棋士、井山裕太九段と思われる名前や中国の柯潔(かけつ)九段の名前も敗者のリストに上がっているほどなのです。因みに柯潔九段は敗戦の後にツィッターで「今まで人類が数千年かけて積み上げてきた物は間違いだったかもしれない」と呟いたほど、Masterは強かったと言う事らしいです。

ここまで強いMasterとは何者なのか、とネット囲碁の世界では話題になっていたのですが、それがAlpha Goの新型であり、今回の対戦は非公式のテスト、2017年後半には各囲碁協会の協力のもとに公式戦に参戦する事が明らかになったのです。

Alpha Goは2016年に韓国のプロ棋士、李世乭(イ・セドル。現在世界最強の棋士とされている人物。九段)と対戦し、4勝1敗の成績を挙げ、プロとして名誉九段の段位を与えられていますが、Masterはさらにこれを改良した新型と言う事になります。

Masterがここまで強さを出せるのはAIの深層学習(ディープラーニング)によるもので、Master同士の対戦を何回もやらせてより深い囲碁の学習をさせる事で強いプログラムを創り出してる、との事ですが、しかしここまでくるとSF映画にありそうなAIの暴走による人類への反逆なんて事も本当に怒ってしまいそうで怖いですね…。

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