7月5週のトピック

さて、これで中高年にもボーカロイド熱があがるでしょうか。

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ヤマハが開発した音声合成システム「ボーカロイド」は2007年に「初音ミク」と言う形で世に出て以降、その斬新なシステムと簡便な操作で瞬く間に人気のソフトになりました。

ボーカロイドとは本来はヤマハが開発した音声合成のシステムそのものを指しています。つまりこれは一種の『楽器』とも言うべきシステムで、ここに歌手や声優の声を乗せる事で様々なキャラクターが作られていくのです。

初音ミクの場合は当時新人声優だった藤田咲の音声が使われていますが、音声部分は色々な方の声が使われた製品がその後に出ており、その中にはシンガーソングライターのGACTOの声を使った「がくっぽいど」、女優の柴崎コウの声を使った「ギャラ子NEO」、坂本龍一の娘の歌手、坂本美雨の声を使った「Mew」等もありますが、今回、満を持してそのラインナップに小林幸子が加わりその名も「sachiko」として7月27日に販売開始されました。

これまでこの系統のソフトには年長の歌手が採用された事例は少なく、あっても外国人歌手が何人かいたくらいのもので、純粋に日本人、しかも演歌歌手の採用は初めてです。そのせいもあって、この「sachiko」には独特のこぶしやしゃくりを再現出来る「Sachikobushi」と言うプラグインも付属しています。

小林幸子と言えば、近年では長年契約してきたレコード会社との契約解除したり、所属事務所の社長、専務を解任したりと従来型の芸能活動から離れた活動が増えていますが、一方でインターネットの動画投稿サイト「ニコニコ動画」に他者の歌を歌って、その様子を投稿する等、インターネットに積極的に関わる様になってきており、一部のネットユーザーからは「ラスボス」とも呼ばれています。これは年末の紅白歌合戦で使用する巨大な衣装が、まるでロールプレイングゲームの最後のボスキャラクタの様だ、と言う事で名づけられたあだ名ですが、当人もこのあだ名は不快感を示しておらず、むしろそれに乗って楽しんでいる所があります。

 

今回そうした流れの一つとして、ネットユーザーと親和性の高いボーカロイドの声に採用された訳ですが、これによってこれまではボーカロイドに興味はあっても若い子の声しか扱えずに躊躇してた中高年のパソコン愛好家にも門戸を開くきっかけが出来たのではないか、と思ったりもします。

ただ、当の小林幸子自身は「sachiko」で曲を作った後に「自分で歌ったほうが楽かなと言ってるそうです。

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