5月8日のトピック

簡単に出来る動画投稿ですが、その分闇も深そうです。

米国在住のマイク・マーティンとその妻は、5人いる子どものうち2人を日常的に虐待したとしてその親権を剥奪されました…これだけだと単なる何処にでもあるニュースの様に見えますが、実はこの夫婦は子供を虐待する様子を動画に撮影してYoutubeに投稿してた、いわゆる「Youtuber」だったのです。

虐待と言ってもぶったり蹴ったりする様な肉体的な苦痛を与えるのではなく、からかい、罵り、叱りつける、と言った精神的な物が多く、その反応を見て嘲笑する様な内容の動画を投稿していました。

さらに問題なのはこうした動画を投稿する夫婦のYoutubeチャンネルに76万人以上のチャンネル登録視聴者がいたという点です。

Youtubeはその動画の再生回数に応じて投稿者に対して広告料が支払われます。日本のYoutubeの場合、1回の再生でおよそ0.1円程度の広告料が支払われる事になっているので、単純に計算しても、76万人のチャンネル登録者数がいるYoutuberなら、1回の動画投稿で約7万円程の収入を得る事が可能になります。動画投稿は1日に何回でも出来ますから、1日3回投稿すればそれだけでも20万円以上の収入となる訳です。

おそらくはこの様な安易な投稿で収入を得られるようになる、いわゆる「濡れ手に粟」の状態になってしまった事がこの夫婦の動画をエスカレートさせる要因になったのでは、と思います。

この夫婦は他のYoutuberから動画内容について批判される様な事があっても、それに反論する様な動画(「動画の内容は全てシナリオ通りであり、その内容に子供達も満足している」と息巻いて見せていたそうです)を再び投稿し、反省する様子は見せずにいたのですが、この辺りから事態は一気に炎上状態になっていきます。

結果的に、多くの視聴者が夫婦の動画に批判コメントを残すようになり、更に虐待されている子供たちの本当の母親と名乗る人まで現れ、4月28日にはこの方が子供たちの一時的な保護者としての権利を得て、この夫婦から引き離される事になりました。

Youtube側もこの夫婦の動画からは広告を引き揚げてしまい、更に危機管理PRチームの助言により、夫婦はこれまで投稿した動画を消去して、チャンネルには謝罪動画だけ残す状態になりました。夫婦は今では自ら進んでカウンセリングを受けているそうです。

カメラ付きスマホやカメラ付パソコンのおかげでYoutubeへの動画投稿は簡単に出来る様になり、しかも再生回数に応じて収入も得られる、となると、供の将来なりたい職業にYoutuberが出てくるのも分からなくはない話ですが、しかし前述のとおり、Youtubeは再生回数を上げなければ収入には結び付きません。

一方でこの夫婦の様に禁断の方法に手を出したら、それはそれで問題です。

まさに簡単に出来ることほど闇は深く暗いですね。

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