3月2週のトピック

プラスチック、樹脂を使ったモノ作りが今変わろうとしています。

写真はモデルのディタ・フォン・ティースですが、彼女の来ている服に注目して下さい。

肩の部分は硬質ながらも緩やかな曲線を描き、ボディラインがハッキリと強調されるほどぴったりとしています。

実はこの服、ナイロンパウダーで作られ、17個のパーツを組み立て稼働するジョイント数は約3000箇所、色はブラック、1万3000個以上のスワロフスキー・クリスタルによって飾られているのです。

このドレスを作り出すのに使われたのが「3Dプリンタ」と呼ばれる機器です。

3Dプリンタとはインクの代わりに速乾性の樹脂をヘッドから噴出したり、特定の樹脂の塊をレーザーで立体的に切り出す事で、短時間で複雑な立体造形物を作り出す事が出来る機器です。

上記のドレスの場合はナイロンパウダーの塊から3Dプリンタを使ってパーツを切り出しています。

従来は工場などでごく少数の試作を作るのに使われる程度の、限られた利用に留まっていたのですが、ここ数年はIT系の見本市でも紹介されるようになってきており、中にはもう一歩で一般家庭用に販売出来るほどの価格で売り出そうとしているものもあります。

こちらは個人でも手が出る、1台20万円ほどで購入出来る3Dプリンタ「MakerBot Replicator 2」です。

写真には写っていませんが、背面に細い糸上の樹脂をドラム状にして持っており、高温になったノズルの先から樹脂を噴射、作業台の上で即固まるのでこれで立体物が作れてしまう、という訳です。

実際に動作している動画はこちら

この様な5つ繋がりの樹脂製チェーンも工作指示を機械にしただけで簡単に作れてしまいます。作成と同時にチェーンとしての連結も行っているので、リングに継ぎ目もありません。

3Dプリンタは映画にも使われています。

昨年暮れに公開された映画「007スカイフォール」でもジェームズ・ボンドの愛車、アストンマーティンBD5が爆破されるシーンがありましたが、そこで爆破されたのは3Dプリンタで制作された実物の1/3の大きさのレプリカだったのです。

実物は貴重なクラシックカー、爆破する訳にはいきませんが、そういう場面でも3Dプリンタによる複製品が活躍しそうです。

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