3月1週のトピック

先週の大きなニュースと言えば、これでしょうか。

2月28日、仮想通貨ビットコインの世界最大の取引所であるMt.GOX(マウントゴックス)が東京地方裁判所に民事再生法の適応を申請して、事実上破たんしました。

ニュースによると、マウントゴックスは13年5月から14年2月24日まで間に複数回にわたって外部からのサイバー攻撃を受け、合計85万ビットコイン(のデータ)を喪失、このうち75万ビットコインは顧客からの預かり分、自社保有分は10ビットコインで、直近の取引価格で換算すると合計約480億円に相当するそうで、言ってみればこれだけのお金が奪われてしまい、経営破たんに追い込まれてしまったという事なのです。

そもそもビットコインは2009年に誕生したインターネット上で流通する仮想通貨ですが、この基礎になる論文を発表したのが「ナカモトサトシ」と名乗る日本人、とされています。そしてその世界最大の取引所が日本の渋谷にあり、社長のカルプレス氏も日本語が堪能、と何かと日本に円があるのも不思議な組み合わせです。

そんなビットコインですが、一般的な通貨と異なり、発行する母体組織がありません。ビットコインは特定のプログラムを通じてユーザー同士が直接取引する方式を採用しており、このプログラムに参加すれば誰でもコインを取得出来るのが特徴です。

またビットコインはプログラムによって新たに創出(採掘、と呼んでいます)が可能となっています。但し採掘するには高度な暗号処理を可能にする機材が必要で、既に個人のパソコンでは採掘は不可能なまでになっていますので、一般的には既に採掘済みのコインをマウントゴックスの様な取引所を介して現金からビットコインに換金するという事になるのです。

ビットコインが注目されたのは発行母体がないが故に世界中のどこへでも安価に送金できることと、2013年のキプロスの経済危機によって投機対象として注目される様になり、2011年の時点では1ビットコイン=1米ドルだった物が2013年12月初頭では1203ドルまで跳ね上がりました。

更にスマートフォンの普及により「ビットコインのサイフアプリ」と組み合わせる事で店頭での小口決済にも利用出来る様になり、またドイツでは課税対象に、カナダでは専用のATMも登場、各国の銀行や金融機関も「容認」「注目」「取扱い停止」とさまざまなコメントを上げる様になりました。

一方で取引に対して匿名性が高いことで不正送金やマネーロンダリングの温床にもなりかねないとして捜査機関も注目しており、実際に犯罪性の高いサイトはFBIに検挙されています。

今回のマウントゴックスの取引停止、経営破たんに伴い、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)等はビットコインに対しての何らかの規制を求める様な動きに出る様ですが、しかし一方で今回の事件はマウントゴックスのシステム管理の不備によるものでビットコイン自体が悪者ではない、と言う意見もあります。

今後の動きにも注目です。

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