1月23日のトピック

いつもニコニコ現金払い、はもう古いと言われそうです。

1月17日、docomoは新しいスマホ決済サービス「d払い」を18年4月からサービス開始すると発表しました。

大きな特徴はこれまでの電子マネーの様なハードウェアの用意を極力使わず、スマホの画面に表示されるバーコードやQRコードをPOSレジスタやタブレット端末で読み取れば決済が出来、毎月の携帯電話料金に合算、若しくは登録したクレジットカード(VISA、Masterの他、docomoのdカードも登録可)で支払う事が出来ます。更にdocomoのポイント「dポイント」でも支払いが可能になり、また支払い金額200円ごとにdポイントが1ポイント付与される仕組みにもなっています。

現在日本で主に使われている電子マネーはICカードやその機能を内蔵した携帯電話によるものですが、いずれの場合も利用者側にも店舗側にも専用の機器を用意させる必要があり、新規に導入するにあたってはその機器を用意する費用が大きな負担になっていました。

しかしd払いの場合、利用者側は端末にアプリをインストールして設定をするだけ、店舗側も市販のタブレットに専用アプリを導入するだけで決済システムが構築出来てしまいますので、これなら個人事業主でも導入は簡単に出来る様になります。

またこうした新しい決済サービスはサービス利用が出来る店舗が限られていると中々普及しないものですが、今回のd払いの場合、ローソンやマツモトキヨシ、ツルハドラッグ、ウェルシア、高島屋と言った全国規模のチェーン展開をしている店舗が多く参加しているのも大きな特徴と言えます(特にローソンの全国1300店舗、ツルハドラッグ系列の全国1800店舗、ウェルシア系列1600店舗が全店参加するのはスゴイです)。

こうした画面にバーコードを表示させて決済する方法は、「アプリ決済」「アカウント決済」もしくは「オフライン決済」とも呼ばれますが、既に中国ではこの方式が支払いの主流になっています。中国のスマホ利用者の多くはAliPay(アリペイ)若しくはWeChat Pay(ウィーチャットペイ)と言うサービスを使っています。AliPayは中国のネット通販サイト「アリババ」の系列会社が始めたもので利用者は1月の時点ですでに5億人以上いると言われています。WeChat Payは中国のメッセンジャーアプリ「WeChat」の決済機能で、日本では同じ仕組みがLINE Payとして既に導入されています。

docomoはこれまで電子決済には「おサイフケータイ」を推して来ましたが、この普及率は存外に伸びていません。利用出来る端末は17年3月の時点で3000万台もあるのに、モバイル決済の利用をしている人は日本では6%程度しかいない、と言う調査結果もあります。主な利用者は20~50代の男性で、60代以上になるとモバイル決済の認知をしてない人も多いという事です。

利用しない人の理由はやはり利用出来る様にする為の設定が面倒である事、機種変をした際に移行させる作業が面倒である事、現金払い以上のメリットが感じられない、電子マネーのサービスに相互乗り入れの機能がない、と言う点がある様ですが、今度のd払いの場合はこれらの不便さが何処まで簡素化出来るかがポイントになるかもしれません。加えて言えば、2020年の東京オリンピックにアジア圏から多くの旅行者が来た場合、彼らは日常的な決済をアプリ決済で行っており、しかもそれはネット接続してないオフライン状態でも使用出来る決済方法ですから、店舗側がちょっと用意をすればすぐに使用可能になります(既にローソンでは17年1月よりAliPayの利用が可能になっています)。

出展:「ロイヤルホールディングス」News Release

既に国内には現金決済に対応しない、クレジットカードか電子マネーでしか支払いが出来ないレストランもオープンしています。これは単に新しい物好き、と言うだけではなく、店舗で現金管理をするスタッフを無くして業務の簡素化を図る、つまり少子高齢化による人手不足を解消する目的もあるのです。d払いはイマイチ普及しない日本のモバイル決済を一気に普及させるカギになるでしょうか。

 

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