2月1日のトピック

これを「スポーツ」と呼ぶ事にどれだけの人が拒否感を感じるでしょうか。

2月1日、日本国内におけるeスポーツ産業の普及と発展を目的とした新団体「一般社団法人 日本eスポーツ連合」(JeSU)が設立され、即日活動を開始しました。

eスポーツとは何か、と言うと「エレクトロニック・スポーツ」の略で、いわゆるコンピュータゲームを一種のスポーツ・競技と捉える際に用いられる名称です。

コンピュータゲームと言ってもこの場合扱われるのは素早いボタン操作、瞬間的な判断力、画面上を広範囲に認識、識別する視力と処理能力が求められるゲーム、且つネットワークを介して複数のプレイヤーが同時に対戦出来るゲームを対象としています。家庭用ゲーム機やスマホ用ゲームは基本的には対象外ですが、後述するプロライセンス発行対象ゲームにはこれらのゲームも一部含まれています。

こうしたゲームでは日本では一部のマニアの楽しみという範疇でしか認識されていませんが、世界では多くのプレイヤーが集うゲーム大会も催されており、大会優勝者には高額な賞金や賞品が提供されていますし、2017年ドイツで開かれた五輪サミットの席上で国際オリンピック委員会(IOC)はeスポーツを五輪競技化に向けて前向きに検討する旨の発表をしています。

つまり、こうしたゲームは今後、ゴルフの様な『賞金の掛かったプロスポーツ』と同様にみられる可能性がある、と言う事になるのです。

早ければ2024年のパリ大会(東京オリンピックの次に開催予定されている大会)でeスポーツはオリンピック種目に選ばれる可能性があるともされていますが、その場合、現状では日本はeスポーツの種目に選手を派遣出来ないという問題がありました。と言うのも、オリンピックでその競技に選手を派遣する場合は国内で競技団体やプロリーグを統一した状態でないとならない、とされているからです。

これまで日本国内のeスポーツ関連団体は、日本eスポーツ協会、e-sports促進機構、日本eスポーツ連盟の3団体が乱立していた状態でした。しかしこれではオリンピック競技化されても日本選手は派遣出来ない、と言う事でこの3つの団体が統合し日本eスポーツ連合が設立されたという訳です。

今後この団体は主な活動内容としては

・eスポーツ新興に関する調査、研究、啓発

・eスポーツ競技大会の普及

・大会におけるプロライセンスの発行と大会の認定

・選手育成支援と地位向上

・関係各所との連携

を予定し、段階的に取り組みを進めていくという事です。ただ一部では問題も指摘されており、プロライセンスについての年齢制限がある事、プロライセンス発行対象になっているゲームが6タイトルだけである事、しかもそのうち2つはパズルゲームなので果たしてeスポーツの範疇に加えるべきなのかを疑問視する声が多い事、等々、まだまだ解決しなければならない問題は多そうです。

取りあえず、2月10日、11日に幕張メッセで行われる、eスポーツ連合主催のゲーム大会『闘会議2018』ではライセンス発行対象になっているゲーム大会も行われ、上位入賞者にはその場でライセンス発行と言う事もあるかもしれません。

中高年には若干理解しがたい状況かもしれませんが、今後は家から出ない引きこもりでもeスポーツのプロとして生きていく事が出来る時代が来るかもしれません。

 

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