2月17日のトピック

プロ野球中継もネットの時代です。

かつてはプロ野球中継は春から秋にかけて、地上波テレビ放送のキラーコンテンツでした。ゴールデンタイムの放送枠はプロ野球中継の放送を中心に編成され、野球中継の前ではレギュラー放送される番組も道を開ける、必要なら放送枠以降の時間帯も延長と言う形で追いやられ、深夜の時間帯の番組はそのあおりを受けて放送中止になる事もよくある話でした。

しかしいつから、野球放送は地上波テレビでは放送されなくなり、衛星放送やCS放送で見るコンテンツになってしまいました。

そして2018年の今、プロ野球中継も大きく変わろうとしています。

スポーツライブの大手サイト「DAZN(ダゾーン)」は2月上旬に、2018年に中継するコンテンツを発表しましたが、この中で新しくプロ野球11球団のオープン戦の一部と公式戦主催試合を放送する事を発表しました。この11球団というのはパシフィック・リーグ(パ・リーグ)の6球団と読売ジャイアンツを除くセントラル・リーグ(セ・リーグ)5球団を指します。また中日ドラゴンズの公式戦で放送するのは「主要試合」とされており、全ての主催試合は放送されないので注意が必要です。広島東洋カープの試合では放映権の関係で「広島県内及び一部地域ではライブ配信を視聴できない」とされています。

DAZNではこれまで広島東洋カープと横浜DeNAベイスターズの試合は放送をしてきましたが、今年からはそれが一挙に拡大する、と言う事になります。

l_st52693_dazn-01プロ野球のネット中継は元々テレビ中継の本数自体が多くなかったパ・リーグの方が早くから積極的に取り組んできた経緯があり、2005年にダイエーホークスがソフトバンクに買収されソフトバンクホークスになった際にはグループ会社のYahoo Japan内のサービス『Yahoo動画』にてパ・リーグ公式戦、及びセパ交流戦のうちパ・リーグ主管試合を無料中継していました。

2010年からはYahoo動画はUSENの動画サービス『GYAO』と統合してYahoo Japan傘下の動画サービスになり、これを契機にパ・リーグの試合中継は『パ・リーグライブTV』として独立、2012年には『パ・リーグTV」に改名、スマートフォンやタブレット端末でも楽しめるサービスへとバージョンアップされてきました。

一方セ・リーグ側はこうしたリーグ全体でネット中継を、と言う動きが低く、ジャイアンツは独自のネット中継サービス『ジャイアンツLIVEストリーム』を提供しており、また親会社の日本テレビがネット動画配信サイト『Hulu(フールー)』と提携している関係で、こちらでも主催試合の中継が視聴できます。一方、阪神タイガースは『虎テレ』、広島東洋カープは『カープ動画ライブ』と言う独自サービスを提供しており、横浜DeNAベイスターズの場合は無料の『ニコニコ生放送』や『AbemaTV』で主催試合をネット配信するという足並みのそろわない状態が続いていました。

そんな中でもソフトバンクが提供している『スポナビライブ』と言うサービスを使えばジャイアンツとカープの主催試合を除く、10球団の試合をネット視聴する事が可能でした(但し、ドラゴンズの一部公式戦は対象外、またスワローズの試合はライブ配信のみ視聴可、見逃し視聴は出来ない等の制約あり)。

このスポナビライブが2018年5月31日をもってサービス提供を終了する事が2月8日に発表され(新規申し込み受付も2月13日で終了)、持っていたコンテンツとの引受先がDAZNに決まった、と言う訳です。視聴契約者もそのままDAZNに引き継がれ、本来DAZNの利用料金は月額1750円なのですが、スポナビライブ契約者はdocomo契約者向けの特別プラン「DAZN for docomo」と同じ利用料金の月額980円で視聴が出来ます。

DAZNはイギリスのパフォームグループと言う国際スポーツメディア企業が2016年に立ち上げたスポーツ専門のネット動画配信サービスですが、日本では2017年からJリーグ(J1~J3)の全試合を配信する放映権を10年2100億円で契約した事が話題になりました。サービス開始当初こそトラブルによって視聴出来ない試合もありましたが、以後はトラブルもなく全試合が問題なく中継されています。さてプロ野球中継はこうした躓きはあるのでしょうか。ない事を祈りたいですが。

 

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