毎年年明けから春先にかけてはインターネットの今を知ろう的な話題で楽しんでいますが、今年は「Google」に注目し、色々なサービスの状況や使う為により便利になるアカウントの取得と利用方法を勉強してみましょう。
1・なぜ「Google」に注目なのか?
googleは元々インターネットにおけるバックリンクを解析する検索システムとして1996年に開発され、1998年に起業した、検索エンジンとしては後発の会社です。
社名の「Google」は本来「Googol(グーゴル、10の100乗を表す数値単位)」としたかったのを、ドメイン名取得の際に綴り間違ってしまい、結局そのまま「Google」となった、と言われています。
Googleが今日まで大きく成長してきたのには2000年から始まった広告システムがあります。
それまでの検索システムは検索単語を人的にインデックス化し、その検索キーワードに合致した検索結果を返すだけに終始していたのですが、Googleはまず「クローラー」と呼ばれる自動的にウェブページを検出してインデックスを作成するシステムを開発し、更に検索結果に合わせてその結果に関連性のある「広告」を検索結果のページに一緒に表示するようにしたのです。
Googleはこの手法により、非常に大きな収益を上げる様になり、次第に関連する企業を買収し、非常に多様なサービスを提供できるようになってきたのです。
そんなGoogleですが、2011年は非常に大きな注目をされる年になるかも知れません。
1つは昨年から日本国内でも爆発的にヒットしている「スマートフォン」という商品ですが、これに使用されている携帯電話用OSはGoogleが開発したAndroid(アンドロイド)というOSです。
↑auが昨年秋に販売を開始したスマートフォン「IS03」にもAndroid OSが採用されています。
Googleが開発してる事もあって、Googleの各種のサービスとの親和性が非常に高く、アプリも好みの物を自由に追加する事が出来ます。こうした土台を支えるOSのAndroidですが、実はこれはGoogleから無料で各携帯会社に提供されているのです。
Googleからしてみれば、多くのユーザーにGoogleのサービスを使ってもらい、そこに広告をさしはさむ事で収益があげられる、つまりはソフトウェアの配布も広告活動の一部な訳です。
とは言え、実際にAndroidを採用したスマートフォンは去年中ごろから急激に増え続け、今年は各携帯会社はAndroidを搭載したスマートフォンの販売を携帯の販売台数の半分以上にまでもっていこうとしています。やはりこれは注目するべきでしょう。
もう一つの注目はかねてより噂されていたGoogleのパソコン用OS「Chrome(クローム)」を搭載したパソコンがいよいよ今年中に販売開始になりそうだ、と言う点です。
実はChromeそれ自体は以前から話題にはあったのですが、なかなか実態が見えず、どーいう動作をするのか、Windows等の既存のパソコン用OSとはどう違いがあるのか、等がはっきり見えてきませんでした。
しかし、2010年暮れにGoogleは開発者向けにChromeOSが搭載されたノートパソコンをテスト用として無償提供を始めました。
つまり、実際にChromeOSを使ったらこんな感じで動く、こんなアプリなら開発出来る等、多くの部分が具体的に見える様になってきたのです。そして更に2011年中にChromeOSを搭載したノートPCが複数のメーカーから販売されることになるとも発表しました。
残念ながらその発売される国に日本があるのかは明確には発表されていませんので、国内でそれを見るのは2011年中にはいかないかもしれません。
でも、パソコン用OSはMicrosoftのWindowsが8割以上のシェアを持つ寡占状態で続いて来た事を思うと、ChromeOSが登場する事でその市場規模がどれだけ変わるのかは興味深い所です。
2・Googleにはこんなにたくさんのサービスがある
さてでは、Googleには実際にどんなサービスがあるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
Googleの多様なサービスは、Googleトップページの左上にある「もっと見る」>「さらにもっと≫」から見る事が出来ます。
検索系サービス
元々が検索システムとして開発された事もあり、Googleには多様な検索サービスがあります。
・ウェブ検索
これはもう説明する必要もない程のGoogleの基本サービスです。
ウェブページとして公開されている情報は殆どの物が網羅されています。
また検索時に収集した情報を「キャッシュ」としてGoogle側が保存しているので、現在のページと以前のページの比較の様な事も簡単に出来ます。
・画像検索
ウェブページで公開されている画像データを関連するキーワードで検索する事が出来ます。
・動画検索
Googleは自社サービスとしてYouTubeを持っているので、これを中心にした動画検索も行う事が出来ます。
・地図検索
日本国内に限らずに世界中の地名から現地の地図、航空写真を検索し、更に地図上での距離計算やルート検索、ストリートビューによる周辺写真閲覧等、様々な情報を検索出来ます。
・乗換検索
上記の地図検索の延長として駅から駅、駅から地名等複合的な路線、乗り換えの検索もGoogleは出来る様になっています。
・特殊検索
意外と知られていないのですが、Googleの検索機能には蓄積された情報を検索するだけではなく、例えば入力された計算式を実行したり、単位や通貨の変換をしたり、郵便番号や株価を調べたり、と言った検索の反中からは若干外れる様な検索も可能なのです。
・論文検索
世界中の学術論文を検索して調べる事が出来ます。
・書籍検索
著者名や本のタイトルから書籍を専門に検索する事が可能です。
著作者の許諾を得ている書籍や著作権が切れている書籍の場合、実際に書籍の全文を読むことも可能です。
・機械翻訳
入力された文書を指定の言語に機械翻訳するサービスがあります。
他の翻訳サービスと異なり、入力言語を自動解析し、それに応じた翻訳をする特徴があります。
入力された単語以外にも指定されたウェブページを丸ごと翻訳する機能もあります。
Googleの検索エンジンは、本来は自動にウェブページを検出するクローラーがインターネット上を巡回して情報を集め、その上でインデックスを自動的に作成する様になっています。人力でインデックスを作成するよりはるかに高速ですが、それでも巡回からインデックス化までには多少の時間がかかります。
しかしそれでは情報鮮度が命のニュース情報などは取りこぼしてしまいます。そこで、特定のニュースサイトの巡回に際してはクローラーの対応速度を分単位で行うようにして、更新されたニュースをほぼ同時に検索出来るようにしています。
従来は特定の商品の販売店ごとの価格比較は価格.comの様な専門サイトで行うか、多くの販売店が出店している楽天市場やYahooショッピングの様な大規模ショッピングモールのトップページで行うのが普通でした。
最近これをGoogleの検索システムで行えるようにしようとして出てきたのがショッピング検索です。
指定された単語を元にして、そのキーワードに合致する商品を販売する商品サイトから、商品画像と商品価格を抜き出して検索してくれるようになっています。
コミュニケーション系サービス
上記の様にいろいろ調べた検索した結果を誰かに伝えたいというような場合、Googleのサービスとしてコミュニケーション系サービスがあればそれもスムーズに出来ますね。
Googleにはこうした情報を共有化する為のサービスも充実しています。
Googleが提供するウェブメールサービスです。
無料且つ大容量のメールボックス(7.5GB/1アカウント)で、ウィルス対策や迷惑メールサービスが予め用意されているので非常に使い勝手のいいメールサービスと言えます。
また携帯電話で使えるモバイルGmailでは、この手のサービスとしては珍しく携帯用の絵文字にも対応しています。
Yahooメールと違い、メールソフトで送受信できるように設定してもGoogleからは広告メールのようなものが送信されてこないのも便利な点です。
スマートフォンOSのAndroidでもGmailの送受信は可能です。
Googleのアカウントを持つ者同士がネット上で音声/映像でコミュニケーションをとる事が出来るサービスです。
ウェブブラウザにプラグインを追加するかまたは専用のアプリをインストールする事で利用可能です。
ブラウザで入力、編集が出来るカレンダーサービスです。
スケジュールの調整もマウス操作で簡単に行えます。また他者の作ったカレンダーを自分のカレンダーに追加したり、自分のカレンダーを別のユーザーに追加させる事も出来ます。
ウェブブラウザ上でWord、Excel、PowerPointのデータを閲覧したり編集したりする事が出来ます。
編集出来るユーザーを指定して共同で編集する事も可能です。
Googleが提供するブログサービスです。元々は別会社が経営していたサービスをGoogleが買収して現在に至っています。
PicasaはPC内の写真を整理し、簡単な修正、加工が出来るソフトですが、ここで整理した写真をウェブページに公開するのに用いられるのが、Picasaウェブアルバムです。
Picasaの設定でweb公開を設定するだけで、専用の写真ウェブページが出来てしまいます。
現在はYouTubeもGoogleの傘下企業になっています。
Googleのアカウントがあれば、動画投稿も自由に行えます。
また自分のお気に入りの動画を集めた再生リストも作成が可能です。
アプリケーションソフト
Googleは上記のサービスを円滑に実行出来るように、自社開発のアプリケーションも多数用意しています。
単にChromeと呼称する場合はOSではなくウェブブラウザソフトをさしています。
起動/読込が早く、安全性にも優れ、Windows以外のOSにも対応するブラウザとして注目されています。
Picasaウェブアルバムでも紹介しましたが、写真管理のソフト「Picasa」も単独のソフトウェアとしてダウンロード/使用する事が出来ます。
Windows標準のウェブブラウザ「インターネットエクスプローラー」にGoogleの便利な機能を追加する事が出来るソフトです。
インターネットエクスプローラーのアドオンソフトとして組み込まれます。
Googleの検索技術を用いてパソコン内のデータを検索し、更にWindowsXP以前では使えなかったガジェットの使用も出来る様になります。
3D表示の能力を使ってGoogleマップの検索をより地球規模で行えるようにした、さしずめPCの中で動く地球儀とでも言えばいいソフトです。
建物等を立体的に描く3D描画の為のソフトウェアです。作成したデータはGoogleマップ等に張り付ける事も出来ます。
このソフトには無料版の他、高機能の有料版もあります。
日本語入力の為のソフトウェア。Windowsが使っているMS-IMEに代わるソフトとして使用する事が出来ます。
また検索キーワードなどを元にした現代語に強い辞書等、MS-IMEにはない特徴もあります。
Google製のソフトウェアの他、Skypeやアンチウィルスソフト、動画再生ソフト等をワンセットでインストール出来るサービスです。
携帯系サービス
Googleのサービスは携帯電話でも利用出来るサービスが充実しています。
基本的にパソコンで検索したものと同じ検索結果が表示されますが、狭い画面でも見やすいように工夫されており、また広告をさしはさむ場所も工夫されています。
Googleマップの機能を携帯電話でも利用できるようにしたシステムです。
GPS機能のある携帯で使用すると現在位置も測地できますし、ストリートビューも使えます。
何らかの理由で携帯のインターネット閲覧機能が使えない場合でも、検索の指示を所定の書式に短くまとめた「クエリ」と言う方法でg@gmail.jpに送信すると、検索結果が自動返信されてくるサービスです。
この他にも現在実験中、仮公開中の新しいサービスは多数あり、いずれの機会には実用化されてくるものもあります。
ChromeOSやAndroidもそうした中から生まれてきたサービスなのです。