<<緊急講座>>身近にある危機 ネット詐欺に気をつける

ある日、自分の使っているパソコンにこんな図の映像が出てきたら、多分多くの人がびっくりするでしょう。

tsuchi

 

「有料アダルトサイトへのご入会ありがとうございます」という何とも言えないタイトル、そしてお客様ID番号なんてものが発行されており、期日までに利用料金を支払え、なんて書いてあったりして、金額の方も払って払えないほどの額でもないし、それなら払ってしまおうか・・・と思ってしまう人も多いようですが・・・

 

ちょっと待ってください、それはれっきとした詐欺です!!

 

言いなりになって支払ってはいけません!!

 

この様な手口で金を騙し取る方法をネットの世界では「ワンクリック詐欺」とか「4クリック詐欺」とか呼んでいます。

つまりマウスボタンを1回から数回クリックするだけで”会員登録を済ませた”、”支払い義務がある”、”期限までに支払わないと訴える”という脅しをかけて相手から金を引き出そうとする詐欺の手口なのです。

 

特にこうした詐欺はインターネットで無修正のわいせつ動画を見ようとすると、詐欺サイトへの誘導を促す広告が出てくることがあり、それに引っかかってしまうとこうした被害にあってしまうのです。

最近は海外の無修正わいせつ動画サイトにこうした詐欺サイトへの誘導を促す広告が出ており、日本人が結構引っかかってしまう例も多発してる、とあります。

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↑詐欺サイト誘導の一例 上図の「日本語版ページに入場」と書かれた部分をクリックすると、下図の様なサイトに移動するが、実際に上図で表示しているサイトと下図で表示しているサイトは全く関係のない別物のサイト 「日本語版」でもなんでもない。

 

以前はこうした詐欺サイトへの誘導とニセの会員登録、高額な会費の請求がクリック1回で起きてしまったため、これを称してワンクリック詐欺と言うようになったのですが、現在ではそれだとカモが警戒する、と言うのでしょうか、クリック回数を増やして詐欺ではない様に装ったり、あくまで引っかかった方が悪い敵な表現をしたり、また利用者の方に非があったような雰囲気に囲い込むようにしたりして、搾取を続けているのです。

 

 

・では引っかからないようにするにはどうしたらいいのでしょう

 

一番簡単なことは「君子危うきに近寄らず」、危険なサイトへはアクセスしない、と言うのが鉄則です。

ですが、何処にそんな落とし穴があるかも判らないって問題もありますから、それも困った問題ですね。

私が今まで見てきて、こうした詐欺サイトを見極める1つの目安にしてるのが、利用規約にかかれた入会の条件と料金が法外に高いかどうかです。

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上記の通り、最近はクリック回数を増やす2クリック、4クリック詐欺が多く、クリック回数を増やすって事はそこに至るまでのページをそれなりに作りこんでおく必要があるのです。

そうした無意味な作りこみの一つに利用規約という文書を掲示している場合が多々あります。

彼らからしてみれば、規約に書いてあるんだから素直に金払えよ、っていう論拠にもなるものですが、逆にこれを読めばそのサイトが怪しいかどうかも大凡判ってくるのです。

 

利用規約を読む際のポイントは会員登録の条件、料金に関する記載項目です。

まず会員登録の条件については、こんな記載がされています。

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■第2条(会員登録)

会員登録とは、次の経緯をもって本サービスへの申し込みを行いユーザIDを発行された者をいいます。
①トップページ(当サイトの最初に表示されるページ表示されるページ)でのコンテンツ選択。
②認証ページ第1回目(ご入会確認)。アダルトコンテンツであることの確認、 年齢及び利用規約への同意確認、料金の発生、業務用パソコンでの使用禁止、 各確認項目に同意された上で「はい」のボタンにより「はい」を選択。
③認証ページ第2回目(ご入会最終確認)。前項と同じ内容を再確認。 「はい」のボタンにて入力した内容を再確認、間違いなく同意し、「はい」ボタンをクリック。

 

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読んでみると判りますが、後述の様な高額の利用料金を請求するにしては、その料金を支払う人間の氏名、住所、連絡先等入力は必要とは書いてません。

詐欺サイト側からすれば、これがうちの登録方法なんだから文句言うんじゃねー、って事なのでしょうけど、ネット上で金銭の授受が発生する契約をする場合は本人の氏名、住所、連絡先等を記入させ、記入内容を再度表示して確認させ、そこでOKボタンをクリックしないと契約した事にはならないと現在の電子消費者契約法にて取り決められています。

つまり、会員登録に関して”オレ流”は通用しないのです。

 

続いて料金に関する項目。

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■第8条(サービスの利用料)

本サービスの利用にあたる料金は、次に定める通りとします。
①本サービスは料金体系を定額制とし、利用期間中は追加料金等の発生は一切ないものとします。
②本サービスの利用料金は、85,000円とします。
③利用料金の発生は、会員登録した時点とします。
④本サービスの利用料金のお支払いは、ご登録日から7日間以内に指定の口座に振り込むものとします。 但し、年末年始、祝日等で2日以上金融機関の休日が続く場合は、金融機関の翌営業日に振り込むものとします。 振込依頼人名欄には、必ずお客様のユーザIDを入力(記入)してください。 尚、お名前でお振り込みをされた場合、ユーザIDの確認が取れないため、 お問い合わせフォームよりユーザIDと振込依頼人名を明記の上、お問い合わせをするかサポートセンターへ その旨を連絡する必要があります。
⑤利用料金の決済方法は、銀行振込のみご利用いただけます。
⑥利用料金のお支払いは、一括払いのみとします(分割払いはご使用できません)
前項支払いに必要な振込手数料その他の費用は、全て会員の負担とします。
お支払いなされなかった場合についての対応につきましては、本サービス運営者並びに弊社サポートセンターでは一切お答えできません。
 
■第9条(利用期間)
会員が本サービスを利用できる期間は、ユーザ専用IDが発行された日から90日間と定め、90日後は自動的に退会となります。

 

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まずもって90日有効のサービスに85000円という金額設定は、現在のインターネットの料金サービスでは法外以外の何物でもありません。

計算すれば1日約1000円って事になりますしね。

例えばの話、国内の大手有料わいせつ動画サイト(表現がイマイチ微妙ですが)の場合、1ヶ月の利用料金が2000~5000円程度、90日でも10000円前後といわれています。

海外のサイトでも30日で30ドル~40ドル前後、90日だと80ドル~100ドル前後とあります。そうした相場からもかなりかけ離れた料金設定であると言わざるを得ません。

この点もいわば規約に書いてある事をたてにして金を巻き上げる為の方便に使うんであろう事が窺い知れます。

詐欺サイトの多くを見ていると、どれも似た様な傾向がありますが、特に上記で上げた部分については、他の一般的なサイトに比べて突出しておかしなことが書いてある事が多いです。

こうした点を注目してみると怪しいサイトには近づかない、深入りしないようになるのではないかと思います。

 

・怪しいサイトに引っかかってしまったらどうするか?

どれだけ注意深くしていても、詐欺師は更に我々の上を行く方法で狙ってきますから、いつかは引っかかってしまうかもしれません。

まず大事な事は「根拠のない請求には応じない」「軽々にこちらから連絡を取らない」、この2点はしっかり守りましょう。

 

前述の通り、ネットを通じて金銭の授受がある場合は、売る側が支払いの請求をする為の必要情報を入力させ、一度入力した情報を再度提示して、間違いないことを確認させてからOKボタンをクリック、これで売買契約が成立と法で定められているのですから、この手順を踏まないものは正当な契約とはみなされない、と言う事なのです。

 

と言う事は、この様な詐欺サイトの請求には法的根拠がない事になり、故にそれを無視してもなんら問題はない、って事なのです。

又こちらから支払いや入会の確認、退会手順等を確認する為に連絡を入れることは反って要らぬ個人情報を相手に渡す結果になってしまったり、連絡を取る為に使ったメールアドレスが別の詐欺師に渡ってカモとして狙われるようになる可能性もあります。

 

なので、こうした連中の催促は基本的に無視、でOKです。

こちらの氏名も住所も電話番号もメールアドレスも伝えてないのですから、詐欺サイト側からは実力で金銭の請求をしようとしても、請求先が判らないのですから請求のしようがない、って事になります。裁判所に訴える旨を言ってくる場合でも、その場合は訴状なり裁判所からの出頭要請があるはずですし、裁判なしに判決並の効力を持つものとしては公正証書というものがありますが、これだって当事者同士が集まった上で公証人役場で作成するものです。

 

とにかく払わない、連絡を取らない、がまずは大原則です。

 

しかし一方で冒頭に上げた様な画面が数分おきに出てくるようになってしまったパソコンは確かに使いづらいですね。

実はこうした画面が出てくるのは、言ってみれば「このソフトをインストールしたらわいせつ動画が見放題だよ」と詐欺サイトに騙されてインストールしてしまった結果起きてる現象なのです。

ソフトをインストールしたんだから、アンインストールすればいい、と思われるかもしれませんが、これもただ単なるソフトではなくシステムファイルの一部を書き換えてしまう様な物なので、アンインストールのメニューもないし、よしんば削除出来たとしても影響されたシステムファイルが残っていると又再び現れてしまうという厄介な問題も持っているのです。

 

そこで対策としては以下の様な方法が挙げられるかと思います。

1・セキュリティ対策ソフトのシステムクリーナー機能を使う

これはウィルス対策ソフトにこうした機能があるものを選んでインストールしておく必要があります。
例えばウィルスバスターにはその他の機能と言うメニューの中にシステムクリーナーという機能があり、これにより書き換えられたシステムファイルを修復する事が出来る、となっています。

2・スパイウェア/アドウェア専用のクリーナーソフトを使う

日本製ではないのですが、海外製のソフトにはスパイウェア(情報収集に特化したウィルス)やアドウェア(不必要な広告を垂れ流す様なソフト。迷惑ソフトの総称)を駆除する専門ソフトがあり、これらを使う方法もあります。

3・システムの復元で怪しいソフトが入る前の状態に戻す

Windowsには以前からWindowsのシステムに何らかのトラブルが発生した場合、その発生前の状態に戻す事ができる「システムの復元」と言う方法があります。
これはWindows側が自動的に復元ポイントを作成し、復元したい場合はその復元ポイントを選んで復元するものです。
WindowsXPでは復元ポイントの自動作成のタイミングが今ひとつ雑だった感じが否めなかったのですが、WindowsVista,7からはきめ細やかに復元ポイントが作成されているので、詐欺サイトの悪質ソフトをインストールした前日位までの様子に戻す事で、元に戻す事ができるかと思います。

4・OSの再インストール

これは最後の手段です。
上記のいずれもが功を奏さなかった場合、最終的にはここまでする可能性がある事は覚悟して欲しいかと思います。

 

 

 

 

 

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