2012年 3月 6日

2011年は電子書籍元年、と言われましたが、2012年は本格ブレーク、になるかもしれません。

3月1日、角川書店グループから発表があり、自社傘下の出版社、つまり、角川書店、アスキーメディアワークス、エンターブレイン、角川学芸出版、富士見書房、メディアファクトリー等で取り扱っている書籍を電子書籍化し、Amazonが製造/販売している電子書籍用端末「Kndle(キンドル)」をプラットフォームとして配信する、と発表しました。

角川書店と言えば新刊、文庫、アニメ系書籍やライトノベル、雑誌、辞書、更には映像系コンテンツまで非常に幅広いコンテンツを有している出版社です。

その全ての出版物が今後電子コンテンツ化するとなると、これは非常に興味深い話と言えますね。

 

上写真がそのKindleになりますが、左、中央の2機種はモノクロ画面で書籍端末としてしか機能しないものなのに対して、右のカラー画面の機種は「Kindle File(キンドル ファイヤ)」という最新端末で、webページの閲覧や動画、音楽の再生も出来、所謂一般的なタブレット端末としても利用する事が可能になります。

現在はKindleの購入にはアメリカのAmazon.comの会員登録が必要で、そのためにはアメリカの住所を登録したクレジットカードが必要である等、日本でKindleを直接購入する敷居は高く、また日本語の電子書籍コンテンツもなかった故に日本人の利用は出来ない状態でした。

しかし角川書店のコンテンツ提供が決定し、これに応じるように日本国内でも4月にKindle Touch(上写真左のモノクロ端末)が発売される事になりました。

なお、Amazonの電子書籍は上記の専用端末であるKindle以外でもパソコンやスマートフォン、タブレット端末でもアプリケーションをインストールする事で利用可能になります。

 

さて、今回の電子書籍販売について非常に興味深いのは、販売価格の決定権を持つのがAmazon側にある事です。

従来、書籍の販売は出版社側が決める権利を持ち、書店はその代りに売れ残った書籍を返品出来るという制度を長年取り入れてきていました。

しかし今回は実際に小売するAmazon側が販売価格の決定権を持つことになり、これまでの出版社主体の価格設定が崩れる事になります。

これまで書籍の販売価格は書店組合によって再販制度が維持されてきており、しかしそれが時代のニーズに合わなくなってきてる現状もあり、かつ、書店を通さない電子書籍の流通を阻害する要因でもありました。

この角川書店の一連の動きには今後も注目されますね。

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