2018年 2月 13日

老眼の人間には、待ちに待ってたモノですね。

これもある意味スマートグラス。ワンタッチで遠近切り替えができる次世代メガネ

三井グループの総合化学メーカーである三井化学が2月2日に興味深い新商品を発表しました。なんと、フレーム部分にワンタッチする事で焦点距離を変更出来る遠近両用メガネなのです。

名前は「Touch Focus」といい、15日には販売を開始するとの事です。

一体どういう構造になっているのか、と言うと、この眼鏡のレンズは9層構造になっており、薄いレンズの間に液晶の膜が挟んであって、メガネの弦部分に仕込まれたタッチセンサーに触れる事で液晶膜に電気が通り、液晶内の分子配列が変化、これによってレンズの屈折率が変化するので、遠近両用メガネとして使い分けができる、と言うのです。

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タッチセンサーで通電する、との事ですから、当然ながら電池が必要になりますが、この電池部分も弦の先、耳に掛かる部分に取り外しが可能な小型充電池を仕込んであり、この電池も1回の充電で10時間ほど使用出来るとあります。

もっとも電池を消費するのは手元の近く(リーディングゾーン)で見る時だけで済む、遠くを見る時には再度タッチして屈折率をもどすので電池は消費しない、との事なので、リーディングゾーンの使用が1日平均1時間程度であれば、1回の充電で1週間程度は使用出来る、と言う事です。

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また充電器は一般的なUSBポートに接続するタイプなので、パソコンで充電、若しくはスマートフォン用の充電器を使って充電する事も可能です。

なおこの技術は2013年にパナソニックから買収した技術を改良したもの、と言う事です。

境目なしの累進多焦点、二重焦点、三重焦点などの種類があります。これまでの遠近両用メガネのレンズは、遠距離用のレンズの中に「小玉」と称する近距離用のレンズを組み合わせて作る二重焦点タイプ(更に加工をした三重焦点もあります)か、両者の境目を可能な限り無くする様に加工した累進多焦点タイプか、に分かれました。

しかし二重焦点タイプの物は加工が難しく、累進多焦点タイプの物は足元の視界が歪んで見えると言った問題があり、これらの問題を解決する為には普通の眼鏡と老眼鏡をかけ替えるか、裸眼と老眼鏡を使い分けるか、と言った工夫位しかこれまでは出来ませんでした。

この新しいメガネレンズが出てくれば、1つの眼鏡を瞬時に遠距離用/近距離用に切り替え出来るので非常に便利になるであろうと思われます。

気になるお値段の方は…税別で25万円、となっています。

些かお高い気もしますが、20種類のフレームが選べて、度数のカスタマイズも出来るのですが、その品質を保証する為に三井化学の名古屋工場でレンズの製造から眼鏡の組み立てまで手掛ける=生産規模がまだそれほど多くはない、と言う事なので、量産化が出来る様になればもう少しお安くなるかもしれません。

2月15日以降は日本橋三越本館7階眼鏡サロン他、都内数店の東京メガネの店舗、名古屋、神戸の眼鏡店で購入する事が出来ます。全国販売は18年秋ごろから、19年春ごろには全国100店舗で販売されるそうです。

遠近両用の眼鏡を作ると、人によっては3万円も5万円もしてしまいますけど、その位の価格でこの様な眼鏡が購入出来る様に早くなってほしいですね。

 

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