2012年 7月 9日

2011年は「電子書籍元年」と散々言われてきました。

でももしかしたら本当の元年は今年になるかも知れません。

【フォトレポート】7,980円の電子ブックリーダー、楽天「kobo Touch」

7月5日、ネット通販の大手、楽天市場からある発表がありました。

それは楽天市場にて電子書籍事業を立ち上げ専用の販売webサイトを設立し、同時に専用の書籍リーダー端末「Kobo Touch」を販売する、というものです。

 

楽天はカナダの大手電子書籍販売サイト「Kobo」と提携して、そのノウハウを活かした電子書籍

、という方法で、電子書籍業界に乗り込んできたのです。

これには色々な見方がありますが、やはりなんと言っても、今年中に電子書籍の世界最大手であるAmazonの日本での市場参入と専用の電子書籍端末「Kindle(キンドル)」の販売が控えているので、これより先に市場を開拓するのは急務だったわけです。

さて、件の楽天電子書籍サービス「楽天kobo」を支えているのが、専用の電子書籍リーダー「Kobo Touch」です。

画面サイズは6インチ、重量は185gと少し大きめのスマートフォンか、もしくは小さめのタブレット端末かと言ったところです。

画面表示には液晶ではなく「Pearlディスプレイ」と呼ばれる専用の電子ペーパーを使っています。

液晶表示に比べて文字表示のにじみやちらつきが少なく、新聞紙以上のコントラスで表示が可能であり、反射型表示方法なので自身が光る様になっておらず、暗い室内、明るい日の下でも読みやすい画面を提供する事が出来ます。

また、電力消費量も低く、一旦表示した内容は次に書き換えるまでの間は電気を使わない特性もあるので、一般的な液晶画面の約1/10の消費電量で動作させる事が出来ます。

kobo Touchにはこの他の特徴として、本体内に約1000冊の電子書籍を保存出来るメモリー/無線LANによるインターネット経由での電子書籍の追加/PCと接続してのデータ転送/フォント、サイズを自由に選ぶ機能/しおりを挟む機能等が盛り込まれており、しかしこれで本体価格は7980円という安さを実現しています。

ちなみに国産で来れに近い商品と言えば、Sonyが販売している電子書籍端末「Reader」というものがありますが、一回り画面サイズの小さい、無線LAN機能を持たないPRS-350という機種が9980円となっており、若干割高感がありますね。

さてしかし、実はこうした端末よりもっと重要な問題が電子書籍を配布する為の規格、コンテンツフォーマットです。

日本の出版業界も電子書籍用のフォーマットを策定中ではあったのですが、海外では既にEPUB(イーパブ)というフォーマット形式が標準化されており、これにより電子書籍の普及は進んでいたのです。

日本でもこのフォーマットを使えば、海外の電子書籍端末も自由に使える様になる、のですが、これまでEPUBには2バイト文字(日本語等の文字)の利用、縦書きやルビが使用出来なかったので、日本の書籍としては扱いにくい物だったのです。

これがバージョン3.0にバージョンアップし、日本語の独特な表記方法にも対応出来る様になったのです。

世界的な規格が日本でも使用出来る様になると、果たして日本独自の規格はどこまで通用するでしょうか。

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