2015年 8月 25日

うちはまだひかり電話いらなーい、なんて言ってられなくなるかも知れません。

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一般家庭に固定電話が置かれる様になって120年程経ちましたが、その固定電話が色々な意味で岐路に立たされています。

一つはアナログ電話回線を使って高速インターネット接続を実現するADSLサービスが2016年6月で新規の加入受け付けを終了する、と言う発表が7月末にあった事です。

ただし、NTTは光ファイバー接続サービス「フレッツ光ネクスト」が提供出来ない地域については引き続きフレッツADSLの新規申し込みを受け付ける、としています。

また既に加入済みの方や16年6月30日より前に申し込んで同年12月31日までに開通したユーザーへのサービスは今後も継続するとしています。

2015年3月現在でADSLサービスの利用者はNTT東西で121万件、YahooBBを提供するソフトバンクで156万件、合算すると約278万件もいますが、最近は光ファイバー網の普及でこれに乗り換える方も多く、ピーク時の1/3~1/4程度にまで減少しています。加えてADSL用のサーバー開発もすでに終了、ADSLモデム等のサービス提供に必要な機材も製造終了しており、今後、保守部品の枯渇も見込まれると言う事で新規の受付を終了するという事です。

じゃ取り敢えず今加入してる人はこのままで大丈夫か、と言うと、それも怪しいのです。

と言うのも、NTTは現在のアナログ電話回線、つまり交換機を使った従来型の電話サービスを早く打ち切りたいという事情があるのです。

携帯電話の普及でアナログ電話の契約件数も最近は落ち込む傾向なのですが、単にそれだけの問題ではなく、実はアナログ電話回線の核ともいえる電話交換機の製造が既に終了しており、現在はインターネットプロトコル電話網に切り替わり不用になった交換機を保存し、故障した交換機が出た場合はこれと置き換える様にして凌いでいるのですが、それももってあと10年、つまり2025年までにはアナログ電話回線網をインターネットプロトコル電話回線網に置き換える必要があるのです

しかしNTTには国が定めた「ユニバーサルサービス制度」と言う枷があり、これは全国一律で同じサービスを提供しなければならない、という国民サービスの方針で、と言う事はNTTの場合、アナログ電話回線網をインターネットプロトコル電話回線網に置き換える作業を全国一斉に行わなければいけない事になります。

当然ですがそれには莫大な費用が掛かりますが、一方でアナログ電話のサービスも年間1000億円程度の赤字が出ている事業でもあるので、可能ならば早々に終了したいというのも本音なのです。

実際にはこの他にも問題は山積されているのですが、しかし交換機の寿命は確実にやってきます。固定電話サービスの将来はかなり険しいと言えそうです。

 

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