2017年 6月 19日

さようならYahoo…

「Yahoo」の画像検索結果

と言っても、日本の話ではありません。アメリカのYahoo.comのお話です。

アメリカ時間の6月13日、アメリカのYahoo.comはアメリカの携帯電話会社のベライゾン・コミュニケーションズに中核事業であるネットサービスに関する部門を完全に買収され、事実上解体されてしまいました。

主力事業を失った米Yahooは社名を「アルタバ」に変え、日本法人のYahoo Japanや中国のネット通販最大手アリババグループの株式を管理する投資会社になり、一方買収されたネットサービスの部門は新しく設立される会社「オース」に、傘下にあるAOL(アメリカ・オンライン)と共に統合され、ネット広告の強化に乗り出すそうです。

日本の皆さんには馴染み深いYahooですが、元々は95年にアメリカで始まったベンチャー企業です。そこにソフトバンクの孫正義氏が2億円の出資と日本での経営権を得て、現在の日本のyahoo.co.jpが出来たのです。

その後の日本でのYahooの発展は皆さんもご存じの通りですが、アメリカのYahooは最初の数年こそ順調に伸びていきましたが2000年前後を境に凋落が始まっていきます。

アメリカYahooの凋落の要因は大きく3つあります。

1つは検索エンジンに関する考え方です。

アメリカYahooは設立当初から検索の為のデータ収集は人力で行っていました。つまり、webサイトの善し悪しの判断を最終的には人間の判断に委ねていたのです。

しかしこれは後に登場したGoogleによって打ち壊されてしまいます。Googleはクローラーと呼ばれるwebサイトのデータを自動収集/整理するプログラムを作り、これを元にしてより効率の良いweb広告を作りだす技術でYahooの検索システムと対抗し、勝利しました。

結果的にYahooは自社でも同様のシステムを作る事になるのですが、その間は一時的にGoogleの検索結果をそのまま使う事になり、これによってGoogleの検索結果の信頼性があがり、Yahooの検索結果はGooleには敵わないとなってしまったのです。

2つ目は検索以外のサービスが充実できなかった点です。

日本のYahooではオークションやショッピングと言った、ネットにあるあらゆるサービスがYahoo1つで賄えるほど充実しているのに対して、アメリカYahooはあくまで検索が主であるとして、他のサービスはあまり重要視されてきませんでした。これが集客力の低下と言う事態になり、一度はアメリカでのネットオークション最大手のイーベイと合併する話も合ったのです。この合併も最終的には白紙撤回されてしまい、以後はそのまま縮小>終了となってしまったのです。

3つ目はスマホ時代の到来に対応出来なかった点です。

もっとも、スマホ時代に対応出来なかったというのは、昨今の大手ネット企業の凋落(例えばUstreamなど)について回る話です。いずれの場合も、経営のトップがスマホの需要について、PCほどに伸びるとは考えておらず、しかしiPhoneをはじめとしたスマホ市場の急激な伸びと言う現実に対して、気が付いた時には後の祭りになっていた、と言う事なのです。

さて日本のYahooですが、アメリカYahooとは完全に別会社ですので、この件に関しての日本でのYahooのサービス自体が終了する事はありません。ただ、日本のYahooの株式の30%前後はアメリカYahooから社名変更した「アルタバ」によって管理される事になりますし、「Yahoo」と言うブランド名についてはアメリカのベライゾンが管理する事になります。

もしベライゾンとの間に何かあれば、Yahooと言うブランド名が使えなくなる、なんて事にはならないでほしいですが、どうでしょうかねぇ。

 

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